甘々と稲妻、7巻 感想
※ネタバレ注意です※
7巻には31話から34話と、番外編2話が収録されていました。
この巻では幼稚園生活最後のクリスマスから、小学校入学までの期間が描かれています。
まず少し大きくなったつむぎちゃんが印象的です。
体格もそうですが、考え方や感じ方もだんだんと大人に近づいていることが、全体を通して描かれています。
例えば31話のクリスマス会の場面。
話の主人公はゆうかちゃんとゆうかちゃんママです。
来年は小学校への入学を控えているにも関わらず、気の弱いゆうかちゃんを心配して、ママは厳しく接してしまいます。
それを見てゆうかちゃんはママに嫌われたのではないかと心配します。
そんなゆうかちゃんを気遣って、つむぎちゃんはゆうかちゃんと小鳥ちゃん、お父さんと一緒にクリスマスケーキを作り、ママとの誤解を解くということになるのですが。
つむぎちゃんは今までゆうかちゃんには何の不自由もないと思っていただけに、今回のような親子の行き違いを察して「いいなあーっておもう子も、なやんでんだなぁ〜」と大人っぽい発言をしていました。
一方33話では、つむぎちゃんが大好きなアニメのマジガルが「地獄のブラックホール」に吸い込まれ、園児たちを驚愕させます。
お母さんを亡くしているつむぎちゃんは、人はなぜ死ぬのか、死んだら天国か地獄なのか、お母さんは本当に天国にいるのかという、言い知れぬ不安を口にして、まだまだ子供らしい一面をのぞかせました。
するとお父さんは「天国も地獄も昔の人が言い伝えたものだから、本当にあるかわからない」と答え、二人でママの住んでいる場所を考えてみようという話に。
つむぎちゃん精一杯の明るい絵を描きます。
7巻ではこの作品の魅力であるつむぎちゃんの天真爛漫な姿はそのままですが、成長するにつれて周りのことも考えて行動している様子が見てとれました。
それに応えるお父さんの姿勢もすばらしく、いつも通り小鳥ちゃんとのごはん会もワイワイ楽しそうで、読んでいて本当に癒される漫画です。
大好きな人とおいしいご飯を、じっくり作って食べるという事がいかに楽しく、成長していくために重要なのかを教えてくれる作品だと思います。