ツーリングEXP. Euro、7巻 感想
※ネタバレ注意です※
今巻のお話は、オリエントアリョーシャ支部長ハミトのお話です。
ハミトは、エジプトのアレクサンドリアのDr.ネフェル・ファラ・フォークスの別荘にディーンを訪ね、ディーンに仕事を依頼します。
内容は「エルサレム旧市街で起こっている連続殺人事件の犯人の割り出しと消去。」
仕事をするため、ディーンはシャルルを一人残し旅立ちます。
一人になったシャルルをハミトはフィンランドに呼び出し、親族の一人である、スオミ・アクバル・サーリネンのフランス語の家庭教師をしてくれるように頼みます。
ハミトがわざとシャルルからディーンを遠ざけたと感じているシャルルは、スオミに断られたこともあり、この依頼を断りますが、
スオミの従姉弟ロヴェニエミ・アナトリアの出現により、しばらく3人でフィンランドを観光することになります。
ロヴェニエミは頭がよく前向きな女性で、ハミトの正体を知っており、スオミに近づくのは自分の後継者にしたいためとスオミに教えます。
また、ハミトにはスオミの性格は後継者に向かないから諦めるよう助言します。
一方エルサレムで仕事中のディーンは、連続殺人を依頼したのがハミトだということをムラートから知ります。
ムラートは引退した元支部長で、現No.2のサジクと共にハミトを教育した人物です。
なぜハミトがそんなことをしたのか?
サジクは、モスクワの支部長ニコライが最近後継者を見つけたことへの嫉妬心と長年の想い人ディーンに相思相愛の相手シャルルができたことへの嫉妬心と説明します。
ハミトは後継者も想い人も手に入らないならと、スオミ、ロヴァニエミ、シャルルを殺そうとしますが、ぎりぎりのところでディーンが助けに来て一件落着です。
ディーンは今回のことはムラートとサジクに免じてハミトを許しますが、 精神的に追い詰められてしまっているハミトは機会をみてはスオミを殺すためにテロを起こします。
今まで味方だと思ったいたハミトがとうとう愛に飢えて気が狂い始めました。
どんなに美しくても、どんなに頭が良くても、人間ってそれだけじゃ幸せになれないんだなと強く感じた話です。
愛する人に愛され、自分の後を継いでくれる人間がいる幸せこそが一番ですね。