思い、思われ、ふり、ふられ、1巻 感想
※ネタバレ注意です※
由奈と朱里の性格も恋愛観も正反対な女の子ふたりが主人公の物語です。
由奈は控えめな性格で絵本の王子様に恋しているような純粋で現実の恋はしたことがない子です。
朱里は明るく積極的で現在彼氏持ち。
それぞれの考え方や気持ちが丁寧に描かれていました。
由奈と朱里の出会いも朱里が親しい人を見送りに行きたいのにお金が足りず、通りすがりの由奈にお金借りた、というもの。
知らない人とに借してと言えちゃう朱里、貸しちゃう由奈。
とふたりの性格がよく出ていると思います。
とくに由奈は自分に自信がなく下を向いているというところはあるけれど、やさしいです。
朱里は由奈と同じマンションに引っ越してきていて同じ高校だった、とちょっと出来過ぎなエピソードも、気持ちがメインなので気にならないです。
男子は由奈の幼馴染の和臣と朱里の弟の理央です。
由奈と理央の出会いは少しかわっていて、由奈が理央を王子様に似ているとじっ見ていたら理央が「ウ○コ、そのまま歩くと踏むよ」なんて言われてしまう。
衝撃の出会いです。
実は理央は同じ高校で、しかも朱里の弟だったのですが。
理央はメンクイだったり、告白を受けても次々断ったりと見た目は王子様でも中身のイメージは最初は良くないものでしたが、話していくうちに、最初のイメージより意外と好ましい考えを持っていることがわかってきます。
例えば告白を断るのも、彼なりに相手への気持ちを考えた行動だったり。
彼と話せば話すほど惹かれていく由奈の気持ちがよく伝わってきます。
しかも見た目は由奈の好みの王子様ですし。
そりゃ惚れるわって感じです!
でも由奈は告白しにきた相手と間違われて、告白してもいないのに理央にふられた形になってしまった経験から、メンクイの理央を好きになっても自分ではだめだとを知っています。
だから由奈は好きなだけでいい、と思うのです。
理央は「好きな人は告白する前にいなくなった」と言っていましたが、由奈が朱里の家に遊びに行った日にはっきり誰かが言葉にしたわけではないのに、これまで会話や行動で理央の好きな人が誰なのか由奈は察してしまうのですけど、ここで終わり。
今後理央の本心がわかればわかるほど、由奈にとってはつらい内容になると思われます。
これから切ない恋が展開されてしまうのでしょうか。
ドキドキします。
ふたりともがヒロインですが、この巻ではどちらかというと由奈視点です。
なのでキャラの魅力としては 和臣より由奈が視線を送る理央のほうがよく出ている内容になっていました。
和臣 のほうは今のところさわやかないい人の感じですが、これから話が進むにつれ違う面も出てくるのかもしれません。
次巻が待ち遠しいです。