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コミック

37.5℃の涙 1~12巻 感想

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椎名チカさんが描く病気に罹った子の保育をする病児保育士の話です。

私は、このマンガの主人公の杉崎桃子ちゃんが大好きです。

桃ちゃんみたいな保育士は本当に素敵だと思います。

主人公の杉崎桃子は笑顔が下手で前に働いていた保育園でそのことを指摘されて少しトラウマになっている様子です。

自分自身の家庭にも問題があり、幼少期に虐待を経験していて、人付き合いも苦手な様子です。

不器用で、素直でまっすぐで、子どものこととなるととても熱く、毎日真剣に悩んで仕事をしている姿がとてもかっこいいです。

時には仕事という範疇を超えた関わり方をして上司に怒られることもありますが、子どもからも保護者からも、仕事仲間からも信頼されています。

そんな桃ちゃんが本当にすごいと思い、憧れます。

この漫画には、桃ちゃんが病気の子どもの家に派遣され、そこでの病児保育の様子が描かれています。

たくさんの家庭と関わって行くので、場面がどんどん変わり、桃ちゃんと一緒にこの場面はどうしたらいいんだろう、子どもと保護者はここの時はどう思っているんだろう、いろいろ考えながら読んでいると、あっという間に1巻読み終わってしまいます。

子どもの相手って元気な子を相手でも体力使って、気も遣って大変な仕事なのに、風邪を引いている子の相手で、しかも子どもは高熱を出すとけいれんを起こしたり、おう吐することもあります。

また、保護者も仕事や家庭の事情など、病気に罹った我が子の看病ができないから病児保育を利用しているので、毎日忙しくて大変な日々に追い詰められている状態です。

そんな子どもの生死や複雑な家庭のことに関わる仕事を桃ちゃんは辞めたいなんて思いません。

毎日「どうしたらいいんだろう?」と子どものために考えていることが本当にすごいです。

子どもの数だけ家庭の姿があり、親にかまってもらえない子は仮病を使って親に構ってもらおうとしたり、病弱な子は親からしたら仕事に行けなくなったり、自分の寝る時間も割いて看病しなくてはいけなくて、煩わしいと思ってしまうこともあります。

そんな子どもの思いも保護者の思いも考えて、桃ちゃんなりの行動をした結果、どっちかというと子どものことを考えた結果ですが、子どもの思いを保護者が理解し、子どもに対する愛情を保護者が再確認することができます。

その場面は私まで心が温かくなり、子どもと関わる仕事っていいなと思います。

子どもの気持ちって一番家族が分かってあげたいですが、親は子どものことを分かっているようで分かっていないことが多く、子どもにとってはそれが寂しさや悲しさなどになってしまっていることが分かります。

子どもにとって親は絶対的で無条件で大好きな存在です。

それが当たり前だと思ってはいけなくて、親も子どもの思いに愛情で返してあげないと子どもの笑顔は見られないと気づかされます。

もちろん、忙しい毎日の中で常に子どもに愛情を与えることは難しいです。

だからこそ、母親と父親、祖父母など子どもにとっても身近な人が子どものこともお互いのことも理解し合って協力して、子どもが笑顔でいられることが子どもにとっても親にとっても理想的な家庭だと感じます。

そのために、桃ちゃんみたいに子どものこと考えてくれる保育士に相談したり、訪問保育、病児保育などを利用して子どもから離れてみることで親は自分の時間を持つことができます。

その中で子どもに対する愛情を再確認したり、自分では気づかなかった子どもの様子や現代の保育の方法を知ることで、子育てがよりやりやすくなると思います。

親も子どももみんな笑顔で生活することが幸せだと思います。

そのための一つの方法としてこの漫画はたくさんのことを教えてくれます。


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