私がこの漫画を初めて読んだのは、小学校6年生くらいの頃で、その頃ファッション雑誌で連載していました。
そのときはちょっと大人の恋愛と思っていたのですが、大人になって完全版が出ていると知ったので一気に買って読むと、改めて深い漫画だなと感じました。
この物語は、高校生が自分の将来や夢に向かって進んでいく話で、漫画を買い揃えた当時、まだ20くらいだった私には毎日の励みになった漫画です。
特に、主人公の紫がなんでも周りのせいでうまく行かないと泣き言を言っていたときに、ジョージが「そこにお前の意思はないの？」と言った一言は、私も自分の意思で物事をちゃんと決めてるのか？自分がやりたいからじゃなく、周りがみんなやってるからで決めてるんじゃないのかな？と考えさせられたセリフでした。
このセリフ、いまだに私の中で強く残っていて、決めたのは自分だから、自分がやりたいから自分の責任でやるんだと言う考え方の基礎になってると思います。
そして、この漫画の中で、私は特に主人公の友達の実和子が大好きでお気に入りです。
見た目はとっても可愛くて、言動もなんだか幼い雰囲気があるのに、実は心の中は誰よりも周りのことを考えていて、実は大人な部分があるんだなぁ、なんて思いながら感情移入して読んでいました。
実和子は誰よりも相手のことを考えて、いつも相手が幸せになれることを考えてあげていて、友達が困っていたら助けてあげられてと、包容力がある素敵な女の子だなぁと思ってます。
実和子くらいの人になるのがいまだに目標なくらいです。
それに、実和子のファッションがいつも可愛くて、初めて漫画を見た当時は真似してみたりもしていました。
大人になって見返してもやっぱりこの漫画のファッションは可愛くて、ファッションをみるだけでもこの漫画を楽しめます。
私がファッションに興味が出たのもこの漫画のと出会ったからだと、大袈裟さじゃなく思います。
もう一人、やっぱり主人公の紫も好きです。
紫はプライドが高くて意地っ張りで、勉強ばっかりで親の敷いてきたレールの上を生きてきた女の子ですが、ジョージやその友達と出会って徐々に自分らしい生き方を見つけて成長していく姿が印象的です。
当時の私は、紫の様子を見て、自分の意思をしっかり持った女性って素敵だと思いました。
それに、ジョージとの恋愛がうまく行かない感じも読んでてもどかしさを感じます。
私は女性なので、紫のジョージに対する気持ちもよくわかるし、言い分もわかるけれど、やっぱりそれはどこか身勝手で、相手のことを考えられていなくて、そんなところが自分の恋愛とも重なったりして読んでいました。
最後に服の勉強をするためにフランスへ渡るジョージに、一緒に来ないかと誘われるけれど、モデルとして成功するという自分の夢のためにその誘いを断るシーンは、漫画を読んだ当時は何故？と思いました。
でも、月日が経った今読むと、夢を優先させたその感情も理解できるし、それがどれだけ悩んだ結果かもよくわかり、この漫画は幾つになっても感情移入して読める漫画だと思いました。
あと、この漫画はただの青春漫画ではなく、登場人物の一人一人の複雑な人間関係がリアリティーなところも、私が好きな理由の１つです。
好きなのに別れなきゃいけないと思ったり、好きな人と付き合った人は違ったり、王道の少女漫画ではあまりない展開ですが、大人になってから読むと、確かにリアルな人間関係って必ずしも綺麗なだけで成り立ってはいないんだよなぁと感じさせられます。
この、王道じゃない感がリアリティー溢れていてどんどん感情移入され、引き込まれていきます。
パラキスは私の中で考え方を変えるきっかけになった漫画で、大人になっても楽しめるお気に入りです。
