Kiss(キス) 12 月号 夜明け前のうた、9話 感想
※ネタバレ注意です※
とうとう ふたりの旅が始まりましたね。
この逃避行の先には 悲しい結末しかないのだろうと考えると、ふたりの選んだ方法が 本当に切なくなります・・・。
ふたりは もう動き出してしまいましたが、ふたりの気持ちは 恋愛とは また別の関係で繋がっているように見えて、今さらですが とても不思議に感じました。
渚の希望で、ふたりは横浜まで来て 観覧車に乗りましたが、この行動が、渚が生きてきたことと、生きていることを確認する旅なんだな・・・と思うと、もう止めることはできないんだろうな、なんて感じました。
渚の笑顔を見て、羽鳥が「入院する前に戻ったみたいに元気だ」と感じているところが とても印象的で、この表情は 確かに無理をしている表情には見えません。
しかし 現実には、死は確実に近づいてきているわけで、その現実が ふたりの後ろからヒタヒタと近寄ってきているようで、少し恐ろしく感じました・・・。
羽鳥自身も 渚の状況が分かっていて、その上で 渚と一緒に行動することを選んだわけで、もはや この行動が、渚の為なのか、羽鳥自身の為なのかは分からないな・・・とも思いました。
渚は近いうちに この世を去るワケで、一方で 羽鳥は、残されて この世で生きていかないといけないのですから、渚と一緒に旅に出てしまって よかったのだろうか?とも考えましたが、ここまできたら もう一緒に旅に出る以外の選択はなかっただろうと思います。
渚の両親が、彼女を安静にさせる為に連れ戻すか、もう本当に短い 残りの時間を好きにさせてあげるかで言い争っていたことも、どちらの気持ちも理解できて、この喧嘩自体が とても切ないと思ってしまいました・・・。
また、渚の両親から、羽鳥の彼女である 明希にまで連絡が来たことで、この先は もっと包囲網が狭まっていくと思われ、今後ふたりの旅は もっと大変になるでしょうね。
なるべく 渚の希望が叶ってくれたらいいな、と思います。
今回は 明るく笑っている渚や、観覧車に乗って 小さかった頃のことを思い出している渚など、渚の笑顔が心に残るシーンが とても多くて、それと相反するように 泣いている人たちの顔も たくさん描かれていて、この温度差が 特に印象深かったです。
それらも含めて、全て彼女の「生を確認する旅」の風景なんだという事に切なくなりました。
みんなが悲しい思いをしながら、しかし ストーリーが一気に加速している感じを受けた回だったと思います。
この旅を いつまで続けることが出来るのか分からないですし、早く次回が どうなるのか、読みたい気持ちになりました。
もう後戻りもできない この旅の続きを、早く読みたいです!!!