※ネタバレ注意です※
23巻は「あやねとケント、そしてピン」。
これに尽きます。
高校三年生の進路を決めなくてはいけない大切な時期、あやねはケントと同じ札幌の大学へ推薦すると決めます。
でも、その心の中には東京にある大学に進学したいという気持ちに揺らぐ。
気持ちに気づいているケントは直接あやねに尋ねるも逃げてしまうあやね。
そしてぐるぐるといっぱい考えて、泣いて、相談して。
彼女が出した決断は「別れよう ケント」――
この巻は君に届けを読んでいる人なら涙なくしては見れない巻です。
何といっても見どころは後半のあやねとケントの会話です。
「もっかいはじめようよ」と言うケントに対し、「だめなの」と答えるあやね。
それは決して嫌いだからではなくて、「自分一人の力で、本気で頑張りたい」という気持ちから。
今まで誰かのせいにして本気になることがなかったあやねが大きな一歩を踏み出した瞬間なのだ。
それだけでも泣けるんですが、なんといってもその後のケントがイケメンすぎるんです!
あやねが大好きなのに縋ることなんてせず「別れよあやねちゃん」と優しい笑顔で告げるケント。
そしてあやねは優しいと言い聞かせ「次はすっげー好きな人を作るんだよ!」とその背を押す。
……これをイケメンと言わずに何と呼ぶ。
優しい、優しすぎるよケント。君に惚れたよ!と、思った人は私だけではないはずです。
そしてピン。
いつもはちゃらんぽらんなピンが、進路の話だとかっこよすぎます。
「ちゃん後悔しろ 次に生かせ」なんて、ピンから出た言葉とは思えないほど。
やっぱり彼は先生で大人なんだなとこの巻で痛感しました。
ただずぶ濡れの女の子にゴミ袋を被せるのはいけない。
お前の傘を貸してやれよと言いたい。
別れと成長。
23巻はそんなお話でした。では最後はこの言葉で締め括ります。
頑張れあやねちゃん!