この作品は2組のカップルの恋が複雑に絡み合いながらストーリーが進んでいきます。
主になる登場人物は、市原由奈(女)、山本朱里(女)、山本理央(男)、乾和臣(男)の4人です。市原由奈と乾和臣は幼なじみです。
今のところこの2人の関係は本当にただの幼なじみというだけで、恋愛感情はありません。
そして、複雑なのが山本朱里と山本理央です。名字が同じことから分かるかも知れませんが2人は兄弟です。
兄弟といっても、生まれながらの兄弟ではありません。両親の再婚で兄弟になった2人なのです。
しかも、両親が再婚して2人が兄弟になることを知る直前に、2人は恋心を持ち始めていて、しかもそれを伝えようとしていたところだったのです。
それなのに、その直前に再婚を告げられお互いの気持ちを心にしまってしまいます。これが中学生のときのことです。
このことは後から分かるのですが、こんな4人が高校に入学するところから話は始まります。
始めのうちは、市原由奈が中心に話が進んでいきます。市原由奈はいわゆる地味な子で、自分に自信がありません。
そんな市原由奈を励ましてくれるのが、山本理央です。その関係が市原由奈の中に恋心を育てていきます。
それが育っていき、山本理央に励まされて少しずつ自分の中に自信ができて気持ちを伝えたくなったころに、山本兄弟の過去、そして山本理央が未だに恋心を山本朱里に対してもっていることを知ります。
それでも、気持ちを抑えられない市原由奈は山本理央に気持ちを伝えます。もちろん、受け入れてもらえませんが、友達としての関係は継続することになります。
ここの関係がポイントで、山本理央の言えない気持ちを市原由奈だけは聞くことができるのです。いわゆる秘密の共有になります。
そして、相談にのってもらっているうちに市原由奈の良さに山本理央も気づいていきます。
そして、市原由奈を良いと思う男子が登場して山本理央も焦り始めて、市原由奈への気持ちが恋に変わっていきます。そして、無事に付き合うことになるのです。
もちろんこれですべてうまくいったわけではなく、もともと自信がない市原由奈はつきあいはじめても、些細なことで自信を失ってすれ違っていきます。
かなりかっこ良く描かれて山本理央ですが、こうした場面では、どうして良いかわからなくて、悩んだり、ちょっとしたことで照れたりして、その表情がとてもかわいいので、ここは見どころです。
そして、この2人の恋に並行進んでいくのが、山本朱里と乾和臣の恋です。
こちらのほうは、まだ実っていませんが2人の関係が市原由奈・山本理央との関係とはまた違っていてハラハラします。
山本朱里は、市原由奈と違って自分に自信がないわけではありません。でも、離婚・再婚のこと、過去の恋愛のことなどで自分のことをあまり認めていません。
でも、それで自分を卑下することなく、がんばろうとする強さがあります。
しかし、それは彼女の両親の離婚・再婚という経験を通して身につけた心配りの力であり、実際は落ち込むことがあります。
そんなとき、乾和臣が山本朱里を連れて見晴らしの良い場所につれていきます。
このときの対応の仕方は本当に高校生と思わせるもので、これで山本朱里も一気に惹かれていきます。
しかし、複雑なのは山本理央の山本朱里に対する気持ちを知っている乾和臣がそのまま恋に進むことができないのです。
そして、2人は惹かれ合っているにも、関わらず、気持ちを伝えたにも関わらずなかなか恋が実りません。
そして、ここで山本朱里の過去の彼氏が登場します。この人が今後のキーパーソンになっていき、それによって2人の関係がどう進展していくのか、今後の見どころです。