※ネタバレ注意※
bake.1(第1話)
神岳山の山頂近くにあるパン屋さん、そこに暮らす店長の紺太と幼いまみ太。
今日もまみ太が起きると、パンの焼けるいい匂いでいっぱいです。
焼きたてのクロワッサンを頬張ると、ポンッ。
まみ太の頭から何か触覚のようなものが!?
紺太から、ふもとのカレー屋さんへお使いを頼まれたまみ太は、そこで紺太の後輩である店主からからかわれます。
「先輩に弟がいたなんて知らなかったー。似てないし、かくし子なんじゃない?」
帰ったまみ太は紺太に詰め寄ります。
「兄弟が外見に相似が見られるべきものなら、かくし子とした方がいいんじゃないか?」
紺太は「大丈夫だよ、父親違いの兄弟って設定にしてあるから問題ないよー」
ん?何かおかしいまみ太と、紺太との関係。
ストーリーにこんなニュースが挟まれます。
「神岳山の山頂付近に落下したと見られる隕石のような物体は、目撃者の数は多いのに、依然として発見されていません・・」
そうです。
なんとまみ太は、超ハイテク宇宙カプセルで地球に不時着した宇宙人だったのです!
子どもの姿はしているものの、クールで頭脳明晰のまみ太は、お人よしで単純な紺太を「地球人ってバカだな」と冷静に分析します。
この紺太、さみしい過去を抱えているようで、たった一人でトラブルに合い地球に来たまみ太のことを、他人事とは思えないようです。
「さみしい時は、あったかくて甘いもん食うといいんだぞ。絶対帰れるから心配すんな」
さみしいという概念のない社会から来たまみ太は、とまどいながらも差し出された甘い焼きたてのパンを食べて、頭にポンッ。
美味しいなと感じた時に飛び出る何か、のようです。
さみしいのは紺太じゃないか、そう思いながらもまみ太は、もう少し救助が遅れてもいいかなと思ったり・・・
最初からぐいぐい引き込まれ、どんな展開になるのか気になります。
設定と、この作者様の持ち味であるほんわかした絵柄がとてもマッチしています。
クールで冷静沈着なまみ太が、単純だけど信念を持って一生懸命な紺太との関わりの中で、少しずつ人間を知り、気持ちが動いていく様子が見て取れ面白いです。
1話だけで、この2人にすっかりはまり、どうか2人ともが幸せに終わりますようにと願わずにはいられません。