Nemuki+(ネムキプラス) 2016年 01 月号 鵼の絵師、23話 まつとしきかば 感想
※ネタバレ注意です※
飼っていた猫がいなくなってしまった兄弟のお母さんで、ひとりで食堂を切り盛りしている鹿島小ゆりさんが今回の依頼者です。
7年前に行方がわからなくなってしまった旦那さんの絵を描いてもらおうと考えていたのですが、菅沼に会って、やはりやめることにしたようです。
菅沼を「鵺の絵師」だとわかっていて、行方不明の旦那さんの絵を、と考えた小ゆりさんの心境を考えると切なくなってしまいました・・・。
旦那さんを死んだと思いたくないような思いが、彼女の中で揺らめいていたのではないでしょうか。
それでも子供たちの為には何か残すべきと考えつつ、やっぱり戻ってくるはずと信じたかったりしたのではないでしょうか。
さてその小ゆりさんの子供達は、ずっといないお父さんよりもいなくなった猫・チロの方が心配な様子です。
たずね猫のチラシを自分たちで描いて貼ったようですが、絵が下手で探しているチロの特徴が、イマイチ町のみんなに理解されず困っていました。
お父さんの代わりに、今回は子供達のために猫の似顔絵?を描いてあげた「鵺の絵師」が微笑ましいですね。
しかし描いている間に、彼ももうこの猫は戻ってこないと思ったのかもしれません。
そして、探している猫について、やさしい伝説を教えてあげます。
いなくなった猫は、強い化け猫になるために山で仙人の元、修業を受けているのだと。
だから、しばらく帰ってこられないのだと。
子供たちにとても優しいお話だとおもいました。
猫が帰ってこなくても安心できる、大人の優しい嘘というか、サンタクロースのような印象でした。
上のお姉ちゃんは薄々わかっているかもしれませんが、弟は完全に信じていて、そこもとても良かったです。
結局姉弟は、探していたチロを待ちつつ、新しい猫のハナを飼い始めました。
子供達が、チロに固執せず、むしろチロを待ちながらハナと遊んでいる様がとても良かったです。
そしてそんなところに行方不明だったお父さんが帰ってきました。
いなくなったチロに似ているお父さん。
弟くんが「チロが人間になって戻ってきた!」と言っているところは、実はとても切なくて、本当にお父さんの顔を知らなかったんだな、と実感させられました。
それでも、今後は家族4人で暮らしていけるということだから、幸せになってほしいですね。
小ゆりさんも、絵を描かないで待っていて良かったです!
今回は本当に心温まるお話だったと思います!
次回も楽しみです!