狼陛下の花嫁、14巻 感想
※ネタバレ注意です※
紆余曲折のすえバイトから正式な花嫁として陛下と結ばれた夕鈴は、陛下の行き過ぎた愛情表現に少々困りながらも幸せいっぱいです。
しかし、陛下のためにもただメロメロにされるわけにはいかない!と気合を入れてお妃教育に励む日々です。
穏やかな日は続かず、小さな刺客が夕鈴の傍へ近づいてきました。
それに気が付いた隠密の浩大と陛下が、刺客が行動に移す前に隠密を追い払いますが、刺客の登場に慌てた夕鈴が足を挫いてしまいます。
夕鈴に怪我をさせた事で、己を責める陛下に「全部込みでここにいるんですからね」と励ます夕鈴の言葉に肩の力を抜き抱きしめる陛下。
改めて二人の絆が深まります。
そしてまたお妃教育を頑張る日々。
しかし少し気が緩んだ時に、側近の李順から「貴女は今や世間では、死んでよみがえり、後宮に舞い戻った妖怪妃扱いです」と聞かされます。
この言葉にとてつもないショックを受ける夕鈴。
陛下へ絶対に迷惑かけてる!と己を責めどうすればいいか悩みます。
そんな時、陛下の父君の後宮で妃をしていた蘭瑶の存在を思いだし、彼女に教育係を頼みました。
しかし身分の低い妃に憎しみの感情を持つ蘭瑶は、夕鈴の頼みを蘭瑶は断ります。
どうしてもでしょうか、粘る夕鈴に理由を蘭瑶は尋ねます。
その問いに「私、このままでは妖怪なのです!」と色々な説明をすっとばして言う夕鈴。
それに対して蘭瑶は「私からしたら後宮の女は全て妖の類でございますよ」と妖艶に微笑むのです。
しかし夕鈴はきょとんとした顔で「そうなのですか?」と答えます。
何も分かっていない夕鈴に蘭瑶は「そう、そこからなの・・・」と答え、教育係を引き受けてくれることになりました。
その言葉に夕鈴は(一瞬だけ陰謀と一緒に無かったことになった蓉州での時間を思い出した)と温かい気持ちになります。
そうして蘭瑶の妃教育もスタートし、夕鈴が気合も新たにした所で連日、大雨が続きました。
陛下にも会えずお妃教育も先生方が王宮に来れず中断します。
時間を持た余した夕鈴は庭を眺めていると、先日の小さな刺客と目が合いました。
刺客は陛下の鋭い眼光を思い出して激しく怯え、猛スピードで逃げ出しますが、木にぶつかって失神してしまいます。
夕鈴が見ると熱まであるようで、放っておけず拾って看病することにしました。
そして怯える刺客が全快するまで看病し、最後には「今度からは具合悪い時に無理しちゃダメよ」と送り出します。
その数日後、近隣の炎波国から朱音姫がやってきました。
目的は親善交流とのことなのですが、どうやら陛下を狙っているようで夕鈴とまったく仲良くする気配がありません。
側近の李順は朱音姫が持ってきた贈り物の宝石類の質は素晴らしくて欲しい!けれど年頃の姫なんて扱いが難しい上に面倒くさい!と叫びます。
そして下手に縁談を申し込まれないように、姫と会うときは夫婦で会うことと、いつもよりイチャイチャして良いとの指示がでます。
それに大喜びの陛下と、「そこはほどほどって言ってください!」と逃げ気味の夕鈴。
この姫の登場により、様々な思惑がひしめくことになります。
ついに新章突入、新婚巻ということで陛下のセリフが甘々です(笑)
そして、陛下の遠慮がまったくなくなっています。
夕鈴が止めなければ白陽国は滅びてしまうんじゃないかというくらい甘々です(笑)
しかし、そこはどんな状況でもブレない夕鈴です。
陛下の気持ちやダークな面も受け止めながらも、きちんと良い方に誘導しています。
夫を手のひらで転がしつつ良い方へ教育するなんて妻の鏡ですね。
まぁ、夕鈴は無意識ですが(笑)
そして最初はライバルだったり憎んでいたりしていたのに、夕鈴のひたむきさや、素直さに感化されて仲間や友達がどんどん増えていきます。
この巻だと蘭瑶がそうですね。
その魅力をもって朱音姫をも友達にしてしまうのでしょうか?
続刊が楽しみです。