町田くんの世界、3巻 感想
※ネタバレ注意です※
楽しみにしていた町田くんの世界、第3巻。
今巻でも町田くんワールドに浸らせてもらいました。
和むのですが、その優しさに時々泣きそうになってしまう、そんな作品だと思っています。
まず町田くんのウインクを見ることができる第9話。
といってもウインクではなく、ものもらいで片目が開かないという困ったものでした。
でも眼帯で片目が見えない不便な状況の中、あたたかい親切をたくさん受ける町田くん。
世界が少しだけ見せ方を変えただけで、気づくことが多くあることを教えてくれた話です。
そして、いつも人を愛することができる町田くんだからこそ、人から愛されるのだと改めて実感しました。
第10話は町田くんの弟・ミツオくんと、ミツオくんとクラスメートの桐谷くんが主役です。
本当は優しいのに上手く感情を表現ができない桐谷くん。
ミツオくんと友達になりたいという気持ちがあるのに、その資格がないと思い込んでいる桐谷くんはとても不器用ですが、同時にとても愛しい気持ちになりました。
ミツオくんのことを「いいやつだ」と言った桐谷くんに、嘘がひとつもないことがわかります。
誰とでも仲良くなれて、素直で、相手を肯定する気持ちを持つミツオくんには、流石町田くんの弟だね!と言ってあげたくなりました。
それから影の功労者の町田くん。
桐谷くんにそっと寄り添い話を聞いて、桐谷くん自身が気づいていなかった良いところを教えてくれるのです。
ところで町田くん、桐谷くんのお姉さんにも一目惚れされていて凄いですね!短い時間でしたが・・・(笑)
最後の第11話は、とある社会人の男性のお話。
彼は仕事と人間関係に疲れ、恋人とも少し壁ができ始め、悪意に満ちた世界に飽き飽きしていました。
そんな時、電車の中で見かけた町田くんと猪原さん。
2人は知らず知らずのうちに、男性に影響を与えるのです。
幸せそうなカップルを見て羨ましく思ったり、いたたまれなくなった時は逃げ出してしまったり、人には求めるけれど自分自身に思いやりが足りなかったことを町田くんの行動を見てようやく気づいたり・・・、
町田くんは魅力的な人すぎて共感はできないので、その分この話の主役の男性に共感してしまいました。
それと同時に、すてきな人ってすごくいい影響を周りに与えることをしみじみと感じます。
自分も少しでもそうなれたらいいなぁ、なんて思っちゃいました。
最後のお話では町田くんが猪原さんを泣かせた!?!という気になる展開もありました。
町田くんが自身の携帯を猪原さんに見せたようですが、それでなぜ泣いてしまったのかがわからず、非常に気になります。
本編は3本で、読切作品がひとつ収録されていました。
これがなかなか、きゅんとする話で・・・!
町田くんとはまた違う魅力を持った男の子がすてきです。
優しさがありつつも、計算高くてしたたかな感じが憎めなくて、かっこいいともかわいいとも思いました。
町田くんの世界では、猪原さんががんばっても町田くんが町田くんなので(笑)、恋愛要素が控えめですが、こちらの読切は恋愛が大きく絡む話です。
真面目な女の子とちょっとチャラい男の子が、お互いのいいところを見つけ合っていって、やさしい気持ちにもなれました。
町田くんの世界第3巻、読切作品も合わせてお勧めです。