Cocohana(ココハナ) 2 月号 ぼくの夜に星の出る、5話 最終話 感想
※ネタバレ注意です※
七海と史人は以前、教師と生徒という立場でありながら付き合っていましたが、しかし七海は史人への恋心を断ち切って、結婚してしまいました。
その結婚式の場面から今回は始まります。
しかし、その結婚式の場面の次には、なんと1年後、離婚してまた一人になった七海が朝起きるところから始まります。
結婚していた間は1年。
史人は高校3年生になっていました。
ただの教師と生徒に戻っているはずなのに、廊下ですれ違うとその声にドキドキしてしまう七海。
結局彼のことを断ち切れていなかったみたいですね。
むしろ、時間が経って再燃している分、強い気持ちになってしまっているかもしれません。
史人がこの1年で大人に成長していっていることを実感して、しかしその彼の手を放したのは自分だ、と気持ちを押し込んで、切なくて苦しいのが強く伝わってきました。
さてそんな気持ちを持ちつつ、進路相談で二人きりになった時に、史人は七海に離婚した理由をしつこく聞いてきます。
そして、それを話してしまって、二人の間になんとも言えない空気が流れてしまいます。
この時点で、彼のことを好きだと自分から言っているようなものだ、と思ったのですが、七海本人はそんな風には思わなかったみたいで、まだ彼への気持ちを抑え込めていると思っていたみたいです。
春になれば彼の声を聴かなくてすむ、という気持ちと、春になったらもう彼の声が聴けなくなる、という気持ちの間で揺れているのが、本当に切ないなと思ってしまいました。
彼女の中にはこの恋はもういい方向に進むことはないという気持ちしかないということも、この言葉から理解できました。
彼のことを断ち切ったのは七海からだったはずなのに、ジレンマですね。
そんな中、大学受験の季節に突入し、史人が合格を報告しに学校に来ます。
これが終わったらもう、ほぼ高校には来なくなってしまいますね。
廊下ですれ違った二人でしたが、史人の方から、「先生、俺に言うことないの?」と声をかけます。
「好き」という言葉をやっと言えた七海。
結局史人はずっと彼女を待っていたんだな、と思うと、彼の方が何倍も切ない思いをして、やっと手に入れた、という気持ちだったのかもしれません。
彼が最後に顔を伏せて泣いているのがとても印象深かったです。
これで七海は、春以降になっても彼の声が聴けますね。
最後がハッピーエンドで終わって本当に良かったです!
これでこの、「ぼくの夜に星の出る」は最終回でした。
磯谷有紀先生の次回作も楽しみです!