ハツコイ ~Only Love~ 感想
※ネタバレ注意です※
小学館から10/9に出版された『ハツコイ~Only Love~』全1巻をご紹介します!
お家事情のため売られるところで、侯爵から逃げてきた真雪は春彦に拾われます。
由良本家の血筋にも関わらず双子という忌み子のため別邸に住む春彦は、真雪を匿い彼女を自分のメイドにした。
その恩に報いるために精一杯メイドとして働く真雪は、春彦の暗い部分を見ることになります。
入るな、近寄るなと言い含められていたはずの真雪は呼び出しベルが鳴り、離れへと向かってしまうのです。
そこには真雪の見たことない男たちがいて、離れの部屋には異様な空気が満ちていました。
部屋に充満している煙。
男たちに捉えられた真雪の危機に現れた春彦に男たちは衝撃の事実を言うのです。
部屋に充満していたのは阿片でした。
双子で間引かれた忌み子であり、世を捨てて生きていた春彦にとって、この部屋は己の精神を鎮める言い訳で用意された部屋であるこの場所で、
何をするでなく、一生をここで籠の中の鳥のように死んだように生きる下らない人生に飽々していたのだと自嘲するのです。
痛々しい春彦の姿に優しく包み込むように春彦に寄り添う真雪は、優しい春彦に救われ傍にいたいと願っているのだと伝えます。
そんな春彦と真雪の元に、二人を引き裂くように現れたのは松山男爵。
そう、真雪が多額のお金と引き換えに嫁ぐはずだった人が現れたのです。
真雪を渡さなければ侯爵家に誘拐犯だと告げ口をし、由良本家に話を通すと脅す男爵。
春彦は由良本家にとってお荷物な存在です。
それでも脅しに動じず態度を変えない春彦は男爵を追い返しました。
その様子を固唾を飲んで見守っていた真雪はこれ以上春彦に迷惑は掛けられないと春彦のためを思い、男爵の元に向かおうと決意します。
それに気付いた春彦がとった行動とは・・・。
読み切りなのが惜しいくらい面白かったです。
後日談などあったら読んでみたい!
他2作品、双子の弟の物語『殉恋』、双子の後を継いだ男の子の物語『深愛』も傑作品でした。