蜻蛉、1巻 感想
※ネタバレ注意です※
小国の媛である弥夜は、10年に一度開かれる虯帝国の帝都で行われる会談に、父である春宮殿下と兄である親王殿下と共に参加しました。
会談には隣国の代表だけでなく、夫人や令息、令嬢も共に参加し、各国国主の新旧の顔合わせや親睦を目的に行われ、場合によっては隣国同士で婚姻を結ぶこともあったりします。
連日、会議以外に茶会や演奏会、遊山などを通して、外交および社交を行うことを目的としていますが、
まったく興味のない弥夜は気ままに外出はするものの、宮中行事には無関心でした。
しかし、あまり気が進まないものの何度とない誘いを断り続ける訳にもいかず、父や兄と共に立食会に参加するのです。
皇城から漂うただならない瘴気に、この国から一刻も早く立ち去ることを進言する弥夜でしたが、皇太后主催の茶会で、なぜか皇太子殿下に気に入られてしまいます。
亡くなった皇后の唯一の正嫡である皇太子は、正妃はおろか側室もなく、また女性との浮いた噂すらもありませんでした。
そんな皇太子が興味を示した弥夜は、本人の意思に関係なく皇太子殿下の妃に決まり、後宮へと赴くことになります。
1巻ということで、大筋は何となく分かるものの、説明が足りない部分が多くある気がします。
大国である虯帝国と、小国である尚和の力関係も今一つ微妙な感じだったりして、時代設定や背景がぼんやりしているのは否めないかもしれません。
けれど、最初から回りくどく説明ばかりになっては話が進まないので、これから少しずつ明らかになっていくと思います。
とにかく漢字が難しいので、慣れるまではちょっと大変かもです。
主人公である弥夜は、父や兄にはない、恐らく母親譲りの巫女にも似たような不思議な力を持っていますが、その力についてもどんな物なのかは、ハッキリとされていません。
しかし、河惣先生の特徴であるドラマチックな展開やゴージャスな雰囲気は十分に感じられるので、これからの展開とストーリーに大いに期待です!