Kiss(キス) 10 月号 飯カレ、10話 感想
※ネタバレ注意です※
今回のヒロインは、野明葵さん、26歳です。
派遣先の会社がつぶれて、実家の食堂を手伝っている女の子で、今までの彼女の人生の紆余曲折から、自分をちょっと負け組と思いつつ、日々を過ごしています。
さてそこに、毎日お昼すぎにあらわれるちょっとイケメンの桐田君が登場します。
毎日日替わり定食を食べにくる桐田くんを、彼女はあまりよく思っていません。
なんだかヘラヘラしている、調子のいいこの男が気に食わない気持ちは、彼女が現在の自分の状況に納得していない気持ちからくる八つ当たりのようなものにも感じました。
彼女はなんだコイツ、という感じですが、母の方は彼にハマっていて、それも気に食わないのかもしれません。
さてそんな時に、彼女の大学時代の同級生がこの食堂にお客さんとして偶然やってきます。
この同級生と自分の差を考えてしまい、ふさぎ込んでしまいます。
自分をミジメだと思い、この状況でミジメと思ってしまうことがミジメなのか、と迷宮にハマってしまいます。
夕飯も食べないほどに・・・。
その考え方よくないよー、と言ってあげたい、むしろどうしてそんなに暗くなってしまっているんだ、と思ってしまいます。
もっと前向きに生きていいじゃないか、26歳なんてまだこれからなんでもできるじゃないか、落ち込まないでー、と葵さんを慰めたくなってしまいました。
しかし次の日に、桐田君が取引先に頭を下げているのを、偶然外に出た機会に目撃することで、自分だけがミジメでツイてなくて、辛いわけじゃないんだ、ということ、彼が自分のいる食堂に、元気になる為に来てくれていたんじゃないか、と考えるようになります。
よかった、葵さんの気持ちが、桐田君の苦労している姿を見ることで、ちょっと上向いてよかったです。
彼がその後お店にお昼ご飯を食べに来た時に、裏メニューのうな玉丼を出してあげます。
一緒に食べることにして、するりと彼の前に座ると彼のうまい、という一言がもらえて、自分の仕事にもやりがいがあることに気づきます。
やっと気づいた、というよりは、よかった、前向きになってくれて、という気持ちになるお話でした。
この「うまい」という声を出すことで桐田さんはきっと元気になったんだろうし、聞くことで葵さんも自分の元気に変えることができたんですね。
次回もどんな人たちがご飯を一緒に食べるのか、とても楽しみです。