Kiss(キス) 10 月号 東京タラレバ娘、13話 感想
※ネタバレ注意です※
話が噛み合わない、合わせられない、という奥田さんととうとう別れるという決意をする倫子さん。
妥協できる女、できない女という分け方で自分を考える倫子さんは、東京タワーに一人のぼりますが、その展望台で、タイムマシンに乗って過去の自分にアドバイスというか忠告をしに行く、という妄想をします。
とっても痛々しいですが、もちろんタイムマシンなんてできていないじゃないか!と倫子さんは自分で自分を諭します。
この作品を読むと、毎回、今の自分は…と考えてしまいます、もちろん共感する部分も多いんですが。
独身女性、アラサー・アラフォー女性とか関係なく、女性ならではの結婚・恋人の悩みとか、仕事への想いとか、どこかしら自分と重ねて考えてしまう漫画じゃないかと思います。
今回のこのタイムマシンネタは、特に女性各々の立場関係なく、今の環境に何かしら思いがある人には痛いところがある話のような気がしました。
さて、倫子さんはまたいつもの3人で小雪さんの居酒屋で会議をし、もったいないと散々言われつつ、他に女がいても一緒にいて楽しい男か、私だけのものだけど一緒にいてもしっくりこない男のどちらがいいのかを考えて、二人にも問いかけています。
しっくりこないことを相手に相談するんじゃなくて、感情もぶつけず喧嘩もしないで別れるという結論を出した倫子さんは、弱いのか、強いのか、実際よくわからないです。
共感できるような、できないような・・・。
奥田さんに別れを告げる時に、またタイムマシンがあらわれて、40代の倫子さんから「妥協してよ、今私寂しいんだよ」と言われても、やはり倫子さんは自分を曲げられません。
読者に共感を得たいような漫画だったら、ここでこういう展開にはならないのかも、とも思いつつ、逆にこれが本当のリアルでもあるか、いやしかし、と考えてしまう展開ではあります。
いやもちろん、KEY君のことがあるから、漫画の展開的には奥田さんと別れるだろうとも思っていましたが。
しかし奥田さんは別れ話をしてもいい人で、それにちょっとびっくりしました。
最後に本性出してきたり、とか、別れ話で喧嘩になるとか、そんな流れかと考えていましたが、どうして、奥田さんは最後まですごくいい人で、読んでるこちら側は本当にもったいない!と思ってしまいました。
反面、それも含めて倫子さんが悩む理由も分かるし、落ち込む理由もよく分かる気がしました。
最後に、マミちゃんたちに別れた、と言った時の倫子さんの気持ちを考えると、プライドとかも含めて悲しくなってしまいました。
20代の自分に30代の自分が言いたいこと、40代の自分が今の自分に言うだろうこと、いろいろ頭では分かっているのに、現実はもう思う通りにはいかない、と倫子さんが悩んでいるのが、とても共感できる回でした。
毎回、共感できることには変わらないのですが。