今回ご紹介させて頂くのは、名作漫画「ときめきトゥナイト」です。
雑誌「りぼん」で連載され、たくさんの女の子を夢中にさせてきた、大河的大長編シリーズです。
その魅力を、かいつまんでお伝え出来ればと思います。
本作品の作者は、池野恋先生。
1982~1994年まで連載されました。
ちなみにテレビアニメ化もされています。
この作品はなんと、第一部、第二部、第三部で時代が流れ、主人公が交代します。
旧シリーズの登場人物が、続編でサブキャラクターとして再登場するのも嬉しいところ。
ちなみに第一部の主人公は、吸血鬼の少女・江藤蘭世(えとう らんぜ)です。
そして第二部の主人公は、蘭世の弟・鈴世(りんぜ)の彼女・なるみ。
第三部の主人公はなんと、蘭世の娘・愛良(あいら)。
まさに、一大大河シリーズと言えましょう。
どの世代もそれぞれ魅力的なのですが、個人的に一番好きなのが、第一部の「蘭世編」です。
吸血鬼と狼女の間に生まれた、魔界人の蘭世。
彼女は同じクラスの、ちょっと不良っぽい「真壁くん」に恋をします。
蘭世は噛み付いた相手の姿に変わってしまう、得異体質の持ち主。
その体質を利用して奮闘しますが、ライバル・神谷さんの邪魔もあり、なかなか上手くいきません。
魔界人であることを隠したまま中学校に通い、恋に勉強に励む蘭世。
両親と弟は彼女の為を思って反対したり、時に応援したり。
途中から、蘭世に想いを寄せる魔界の王子「アロン」も現れます。
実は、真壁くんとアロンには、意外な繋がりが……。
今振り返っても、本作品の大きなポイントは、キャラクターの魅力にあると改めて感じます。
まずは、主人公である蘭世。
腰まで届く長い黒髪に、ぱっつん前髪。
可愛い顔に、抜群のオシャレ感覚。
私服は今見ても可愛いく、現代でも普通に着られそうです。
また中学生の制服は、セーラー襟の水色ワンピース・ストライプ模様。
ちょっとレトロで可愛いデザインが、彼女の可愛さを引き立てます。
ちょっと勉強は苦手だけど、素直で明るく頑張り屋で、一途。
真壁くんの身に何かあると、卒倒するほどにショックを受けます。
不思議な魔界道具で、未来を見に行ったり……。
「吸血鬼」という特別さと、普通の女の子らしい内面を併せ持つ彼女は、親しみ易くも魅力的なヒロインです。
そしてもう一人、作品の魅力をアップさせているのは、ヒーローである真壁俊くんの存在。
クールで少しワイルド、硬派で少し不良っぽい。
彼は、それまであまり見たことの無いタイプのヒーローでした。
喧嘩が強い一匹狼で、中学生ながらプロボクサーを目指しジムに通っています。
更に、母親と二人暮らし。
看護士の母を気遣う、優しい息子でもある彼。
母が夜勤の日、アパートで一人、具なしのインスタントラーメンを食べる姿など、妙にリアリティーがありました。
蘭世と神谷さんに想いを寄せられ、アプローチされても素っ気ない、彼の姿。
少し長い黒髪といい、独特の魅力を放っています。
しかし後半に進むにつれ、隠された彼の秘密が明らかに……。
実は生まれてすぐに追放された、魔界の王子だったのです。
つまり、アロンは双子の弟。
「災いをもたらす」という言い伝えにより、父親である王に、命を狙われる真壁くん。
彼の助けになろうと、蘭世の命がけの恋心が燃え上がります。
「素っ気ないクラスメイト」
「追放された、魔界の王子さま」
この二つの要素を持つ彼は、かなりのトキメキを詰め込んでいます。
ちなみに終盤、蘭世と真壁くんは両想いになるのですが、真壁くんはなかなか態度に出しません。
その焦れったさにハラハラ、ドキドキ。
少女から大人まで、幅広く楽しめる。
それが「ときめきトゥナイト」なのです。
真壁くん渾身の「今度は、もっとマシな男を見つけな」に、ぜひときめいて下さい。