私が初めて読んだ少女漫画、高屋奈月先生のフルーツバスケットの3巻でのお話です。
このお話の中で紅葉と言う「卯」の男の子が学校のクラス会での出来事をお話してくれます。
そのお話が「世界で一番 バカな旅人」です。
バカな旅人は行く先々ですぐ街の人たちに騙されます。
薬代がない・病気の息子が等など、旅人はそのたびに、お金や服・靴など騙し取られてしまいます。
旅人はバカだから「これで助かります」と、街の人たちの嘘にも涙をこぼして「お幸せに、お幸せに」と言います。
とうとう素っ裸になった旅人もさすがに恥ずかしくて、人目をさけて森の中を旅することになります。
でも次は森に住む魔物達に出会ってしまいます。
魔物達は旅人の身体を食べたくて、言葉巧みに騙していきます。
もちろん旅人は騙されて足を一本、腕を一本とあげてしまいます。
結局 旅人は頭だけになってしまい、最後の魔物には目をあげました。
魔物は目を食べながら「ありがとう お礼に贈り物をあげます」と置いていきます。
でも、それも嘘で贈り物は「バカ」と書かれた紙きれ一枚。
でも旅人はポロポロ泣きます。
「ありがとう。ありがとう」
「初めての贈り物だ。嬉しい。嬉しい。ありがとう。ありがとう。」と
もうない目から涙を流して旅人は死んでしまいます。
このお話を聞いたクラスのみんなが笑う中、紅葉は一人旅人のことを想い、考えます。
その描写と紅葉の感性がとても印象的で、10年以上経った今でも忘れられません。
最初に読んだときは、まだ私は幼く、意味がわかりませんでしたが。
ふとこの3巻を読み返したとき、私も涙があふれてきました。
年齢のせいで、涙もろくなったのかもしれません。
でも何回読み返しても、この3巻で涙があふれてきます。
その度に思うのが、「私も紅葉のような人になれたら良いな」
「相手の立場に立って、気持ちになって物事を考えられる人になりたいな」と、常に紅葉のような人物でありたいと思えるのが、この3巻です。
フルーツバスケットが好きな人、特に紅葉が好きな人なら真っ先に思い浮かぶのが、この「世界で一番 バカな旅人」のお話です。
ただの紅葉推し・フルーツバスケットが好きならみんな知っている内容かもしれません。
それを理解した上で、「世界で一番 バカな旅人」と紅葉のことをお伝えしたかったです。
この3巻を読んで、「感動した」「紅葉かわいい」「干支が卯でよかった!」と、きっと思える1冊になります。
まだ読んだことのない方も、読み返してみたくなった、あなたも。
特に3巻はじっくりと読んでみてください。