私のお気に入りでまず一番最初に思い浮かぶ作品が『私がモテてどうすんだ』です。
通称『私モテ(わたもて)』と言われています。
簡単にあらすじを説明しますと、主人公は芹沼花依(せりぬまかえ)高校2年生です。少女コミックでは珍しく、肥満体質の女の子なんです。
そして特徴的なポイントは、彼女はアニオタな上、BL大好き腐女子という設定です。
第一話でまず驚くところは、誰しも考えそうなヒロインとしての理想的な要素を外見的に所持させていない点です。
この状態が、まさかの変貌を遂げるのです。
普段はクラスの美男子が男同士で仲むつまじく学園生活を送っている日常を観察し、脳内でカップリング妄想をするのです。その描写が何とも面白いです。
ある日、熱烈に崇拝している作品内アニメのキャラクターが死んでしまいます。
そのショックから食事を一切しないで引きこもってしまい、そのせいで肥満体型だった姿から減量による変身を遂げ、誰しもが振り返るような美少女になってしまいます。
変身後、久しぶりの登校初日でクラスは大騒ぎになります。
ここから、突然クラスの男子や後輩から猛烈なアプローチが開始するのです。
設定としては逆ハーレムなのに、その現実についていけない腐女子のラブコメ作品です。
しかし、主人公だけではこの作品の面白さは語れません。
クラスの美男子、五十嵐くん、七島くん、後輩で芹沼さんと同じ風紀委員の四ノ宮くん、そして何といっても私の一番押しキャラクターの六見(むつみ)先輩です。
ハーレム要員はまだいるのですが、全部紹介してしまうと、読んだ時のドキドキ感が半減してしまうのでこれくらいで。
私の一番押しの六見先輩は、芹沼さんと同じ部活の部長をしているんです。
部活は史学部。主に歴史関連のお話をしたりイベントを実施したり、作品内オリジナルのカードゲーム「城カード(じょうかーど)」で対戦したりしています。
その史学部で部長の六見先輩は、唯一、芹沼さんが激変した姿にあまり動揺していなかった人なんです。
私は最初にそのシーンを見て、絶対六見先輩と芹沼さんがベストカップルだと良いな、と思って密かに応援しながら読み進めていました。
芹沼さんの激変度合いは半端じゃなく、完全に別人に見えます。
それにも関わらず、六見先輩だけはその変化に動じず、いつも通りに接してくれていたのです。
ちょっと六見先輩は天然なところがあって、痩せる前の芹沼さんと痩せた後の芹沼さんでも、一人の女性として見ているポイントは外見じゃなくてその人の精神性をメインで接しているキャラクターなんです。
それに、芹沼さんのオタク趣味にも動じず、本人が好きなものを見て喜ぶ姿を見ているのが好き、とまで考えているんです。
個人的には六見先輩とのエピソード会が割りと目立って感じるので、どのストーリーもオススメではあるのですが、毎回外さないパターンとして、自然に六見先輩と芹沼さんが二人っきりになりやすい点です。
他のキャラクターはどうしても芹沼さんの外見で気持ちが動くのに対して、一貫して六見先輩はリバウンドしてもありのままが良い、自然な状態が良い、と考えているのです。
ですので、芹沼さんの痩せる事象がもし、起こっていなかったとしたら、自然に二人は惹かれ合っていたのでは、と妄想出来ます。
何と言いますか、お似合いカップルなのかな、と思います。
ただ、芹沼さんが誰と最終的につきあい、結ばれる展開になるのか、ここでは公開しない方が良いと思います。
この作品は乙女ゲームとして客観的に楽しむ視点の作品でもありますから、この作品を本気で楽しみたい方は、一切のネタバレを見ないで読んで欲しいと願います。
本筋ではありませんが、個人的に面白い展開だったのは芹沼さんのお父さん(公に出来ない仕事の為、常に出張中)が登場する回です。
後、六見先輩のお兄さん登場回、四ノ宮くんのイグアナと共に家出回です。
それぞれのキャラクターが持つ悩みや個性の御蔭で、一緒になって悩んだり喜んだり出来る珍しい作品です。是非、楽しんで欲しいです。
私のオススメ少女コミック、『私がモテてどうすんだ』でした。