「ちはやふる」にはドハマリしました。
残念美人の綾瀬千早が幼い頃に出会った「かるた」にハマり、「かるた」のクイーンになる為、戦っていくという少女漫画としては少々珍しい内容です。
私がなぜ「ちはやふる」にハマったのかというと男主人公とも言える、真島太一の存在です。
彼は、イケメンで医学部志望のいわゆるお坊ちゃまです。
主人公の綾瀬千早とは小学生の時の同級生で、彼はその時から千早の事が好きです。
ただし、中学で別々に学校に行き、高校で再会した時には、特に好きでもない女の子と付き合っていたので一途ではなかったようですが(笑)
彼の性格は負けず嫌いで彼が「かるた」をやる理由は、恋心を抱いている千早の為。
そして、千早と「かるた」で繋がっている、天才・綿谷 新への対向意識からです。
綿谷新というのは、主要人物の一人で、小さい頃から「かるた」をしており、祖父は永世名人というサラブレッド的な存在です。
この漫画は小学生から高校生まで(37巻時点)の長い期間を描いています。
太一のように最初は好きじゃなくても、続けているうちに「かるた」を好きになるという展開もあって普通だと思うのですが、主要人物の中で彼だけは「かるた」が好きな「ように」振る舞います。
彼は、千早や「かるた」を通じて出来た友達など好きな人達と離れたくない。「かるた」が好きな人たちと居るためには、自分も「かるた」を好きなければいけないという思いが根底にあるのです。
また、「かるた」の師匠である原田秀雄の言葉「青春ぜんぶ懸けたって強くなれない?まつげくん、(原田オリジナルの太一のあだ名)懸けてから言いなさい。」この言葉も彼を泥沼にはまらせる一言になります。
彼が「かるた」を好きではないという事表すエピソードはいくつかあるのですが、太一が「かるた」部を去った後に道端でであった、現役の「かるた名人」周防久志に言われた「かるた部やめたの?かるたを心底好きな人たちの中にいるのはきつかったよね。君はかるたを好きじゃないのにすごく頑張ってえらいなぁって思ってたよ。それでも耐えるくらい好きだったんだよね あの人たちが」が一番衝撃的でした。
こんなあっさりと太一がひた隠しにしてきた事を描いてしまうのかと。
恐らく、太一の本心を見抜いていたのは彼だったのではないでしょうか。なぜなら周防久志も「かるた」を好きではなく、彼も彼の事情で「かるた」をしています。
その理由を話すとまた長くなってしまうので今回は割愛させてもらいますが、その後、「かるた」を好きではない太一は、同じく「かるた」を好きではない周防名人の事実上の弟子となります。
そして、上記で挙げましたが、師匠・原田秀雄とのエピソードもあります。
「かるた」部を退部した太一は、ひっそりと周防名人の元で「かるた」を学び、ついに名人・クイーン戦予選大会で、再び千早達の前に現れます。太一の強さは凄まじく決勝に進出。
決勝戦の相手は、元師匠である原田秀雄その人でした。
お互い決戦の場につき、いつものように世間話を始める原田。
しかし、「まつげくんがなにをしたいのか なぜ戻ってきてるのか かるたに復讐してるようだとも思ったが」真剣な顔つきで語りはじめる原田。「それだったら あれだよな 復習したいとすれば 私にだよな」原田自身も太一に対して言った何気ない一言が結果的に太一を苦しめてしまったと自覚していたようです。
太一は原田に「新たとちはやの居るところに行きたい」と心から望んでいる事を打ち明けます。原田との一戦でようやく彼は「かるた」を少しだけ愛する準備が出来たのではないでしょうか。
こんなに熱く、成長するキャラクターが少女漫画に出てくるのはなかなか無いので私はこのキャラが好きになると同時に、この漫画が好きになりました。