1980年代にアニメ化されたギャグ漫画です。
40周年を迎え、2016年、2018年と舞台化され話題を呼び、2018年秋には実写化映画がロードショーされます。
そして現在も連載が続いております。
ざっとあらすじを書いていきます。
バミューダトライアングルの中心に位置するマリネラ王国の少年国王がパタリロ・ド・マリネール八世、主人公のパタリロです。
宮殿の中ではお付きのタマネギ部隊が警護?お世話をしております。
何故タマネギなのかは分かりません。
世の中、全てのものが説明がつくはずもありません。
何故かタマネギ風のヘアスタイル、メガネに菱形の口の統一メイクを施しております。素顔は美少年、中にはロマンスグレーの古参隊員もおります。
マリネラ国は主にダイヤモンドの輸出が収入源です。利権が絡んだ国際組織との戦いや、完全密室殺人事件の謎解きなどをMI6のバンコラン少佐の邪魔?をしながら世界を股にかけテンポ良く解決していきます。
頭脳明晰で発明家のパタリロが作り出すロボットは、空を飛んだりビームを出したりパワーも何万馬力とあります。
万能が故にエプロンを着けて、子供のロボットの気を引く為お菓子を焼いたりします。
結果、思春期が故にさらに冷たくあしらわれたりしますが。
どこかの国にちなんで、マリネラ王国の国防総省はペッタンコと言う総称で呼ばれております。
エリート官僚が「この施設やたらと天井低いんだよな」とか愚痴っています。
タマネギ部隊の中に新撰組気取りの武闘派が出てきたり、おカマキリ拳法の達人が出てきたり設定が馬鹿らしくて吹き出します。
ダイヤモンドだけでは先々、国の安定は見込めないと考えたパタリロは、観光産業に力を入れます。
中身は美少年揃いのタマネギ部隊の中から更に精鋭を集め、美少年だけの歌劇団を作ります。
そう名前は 、ツタカズラ。
冗談でボツになりそうなネタを上質な作品に仕上げてしまう作者は素晴らしいです。
作者さまは漫画家として新しい試みをします。四コマ形式で物語を展開していく手法を一時期貫きました。
現状に満足せずに新たなジャンルを切り開く才能と勇気はどこから来るのでしょうか。
国際情勢に長け、謎解きミステリー、妖怪、タロット占い、時代劇、タイムパラドックス、悪魔と契約した魔界編があったりと、作者の幅広いバックボーンが伺えます。
それらをテンポの良い明るいタッチで勢いよく展開させていく手法は、唯一無二です。
実はご紹介の仕方が難しいと思っているのですが、重要キャラクターのMI6所属のバンコラン少佐と、元殺し屋マライヒについてのエピソードが驚くべき展開になります。
実は二人は男性同士、同性愛者なのです。
ある日体調に異変を感じたマライヒが突然マリネラにやってきます。
圧倒的科学力を誇り、最高の医療機関を持つパタリロにした相談とは
子供が出来た。
と言うものでした。
当初は完全におちょくっていたパタリロも余りの真剣な表情に折れ、検査をして現実を伝えれば落ち着くだろうと病院へ向かいます。
結果はこの世の常識を覆すものでした。
子供を授かっていたのです。
男性のマライヒの妊娠と言う事実に、パタリロとその周辺は騒然となります。
そして事の重大さに段々と気付いていくのです。
あり得ない状況で子供を授かった人がいた事を。
世界で一人だけ思い当たるこの事例を。
処女懐胎をした人物を。
パタリロはその後、手厚く看護させます。通常の倍の速度で成長するその姿に、生まれてくる生命への期待、不安、畏怖を感じながら。
そんな中パタリロだけは冷静に事の成り行きを見守ろうと自分に言い聞かせていました。
果たして無事に子供はこの世に生を受けたのでしょうか。
ネタバレになるので、この続きはコミックでお楽しみ下さい。
食べる事が大好きなパタリロの大好きなエピソードを一つご紹介してシメとさせていただきます。
朝、お付きのタマネギ部隊が起こしにきます。毎朝中々起きないだらし無いパタリロを何とか起こそうと怒鳴ります。
「後5秒で無理やり起こしますからね!」
「しめた、後5秒はウトウト出来る」
なんて前向きなんでしょう。
その後、朝食前の軽い食事をたらふく食べ、すぐに朝食を平らげ、間髪入れず昼食前の軽い食事に移ります。
昼食前の軽い食事を終えると昼食メニューを確認し、最近少ーし食べ過ぎてなので、少ーしほんの少ーしだけ量を減らそうとメニューの変更を言います。
いざ昼食が始まると足りない!もっと持ってこい!と食べ続け、その後オヤツの前の…とひたすらこのループは続き、コックがノイローゼになります。
ちなみに「家政婦パタリロ!」シリーズや、「パタリロ西遊記!」「パタリロ源氏物語!」のスピンオフ?作品もあります。