Kiss(キス) 10 月号 くちうつす、8話 感想
※ネタバレ注意です※
今回は 長谷川先生と渡辺(由夏の小説を載せている雑誌の編集長)のシーンから始まりましたね。
渡辺が 長谷川の家を訪れた理由は、「直人(長谷川先生の事)は 由夏と付き合っているのだろう」と渡辺が考えて、それを確かめに来たのかと思いましたが、長谷川先生が渡辺のことを やはり意識していて、それが彼女に伝わってしまうんじゃないか・・・と心配になりました。
もちろん、初恋の人が目の前にいるんだと考えると、ドキドキしないわけにはいきませんよね。
長谷川に対して、なんとなく由夏のことを ちらつかせながら話している渡辺の意図が よく分からず、もしかすると 由夏の小説を一緒に書いていることに、少し気づいているのもしれないと思いました。
または、編集者のようなことを しているんじゃないか、と考えているのかもしれませんね。
渡辺が小説を読んでいる顔に くぎ付けになってしまった長谷川先生が、渡辺が帰った後に すぐに由夏に電話をして 次回の口述筆記の日にちを確認しているのが、なんだか いじらしくて微笑ましく感じました!
さて その口述筆記ですが、由夏は 前回の安藤とのデートの経験から、これで もう一人で書けるかも、と また考えていたようですが、やっぱり経験だけじゃダメでしたね!
確かに、リアルで感じたイメージばかり書いていっても、ただの日記になっちゃいますもんね・・・。
生々しい描写で、等身大の恋愛感情だけれど、とても普通で退屈、という長谷川の感想が、的を得ていて 納得してしまいました。
読者が読みたいのは 日常ではなく「非日常」という言葉も印象的でした。
確かに、面白い小説は きっと、そういう塩梅が絶妙だからこそ 引き込まれるのだと思います。
小説として面白くするには、そこに やはり想像力が必要なんですね。
官能小説だけれども、由夏らしい小説を作っていくには、経験だけでは書けないですし、やはり長谷川先生の力は絶対 必要なんだと思いました。
そして今回、長谷川先生も とうとう この口述筆記の気持ちよさを意識し始めてしまいましたね!
今まで支えていくだけだったのが、今回 自分も一緒に作っていく、と言う風に 意識が変わっていったからなのでしょうか。
渡辺が訪れたことで、もっと小説だけに 目が行くようになるのかと思いきや、由夏との小説に快感を得るようになったんだとしたら、面白い変化だと思いました。
しかし由夏は 安藤と付き合い始めてしまいましたし、それを長谷川先生自身が知っていると由夏にも話したばっかりなのに――――
これは恋ではないのか、どういう関係になっていくのか、この先の展開が さらに楽しみになりました!
長谷川先生自身にも 口述筆記が必要になっていくことになる気もしますし、今後どうなっていくのでしょうね?次回が とても気になります!