この本は、TVアニメ『フレッシュプリキュア』を上北ふたご先生がコミカライズした作品です。
アニメは一年間の放送されていましたが漫画は一巻完結となっているので、主に主人公の桃園ラブと、元敵幹部の東せつなの交流に焦点が当てられています。
ラブの仲間には、おしゃれで自信に満ち溢れた性格の美希と、おとなしくて癒し系の祈里の二人です。
日常のシーンは可愛らしく描かれていますが、一転して戦いのシーンになると迫力のあるバトル漫画のような雰囲気に変化するのが魅力的です!
この漫画でお気に入りのシーンを紹介します。
一つは、ラブと美希と祈里が3人でダンスユニットを結成するシーンです。
祈里は引っ込み思案な性格でしたが、勇気を出してラブや美希が所属していたダンスチームに入りたいと言います。
ダンスを通じて、祈里は大人しい自分の性格を変えようとしていたのでした。勇気をだして自分を変えようとする祈里に尊敬するし、行動に移す大切さを教えられました。
その後、ダンスチームには元敵で過去を悔いてプリキュアになったせつなも参加します。
ダンスを通じて笑顔になったり、自分を成長させたりする姿に感動しました!
4人のダンスのシーンは本当に楽しそうで、見ているとほっこりします。
もう一つのシーンは、ラブとイースの戦いです。
『東せつな』は世界を脅かす『ラビリンス』という組織の一員であるイースの人間のふりをしている時の偽名で、ラブとは人間界に潜入した時に友人になりました。
イースは元々人間界を不幸に陥れるためにラブたちに近づきますが、ラブの明るさやせつなの事を本当に友人だと思って接する姿に絆されていきます。
しかし、イースには時間がありませんでした。
いつまでもプリキュアを倒せずにいるので、敵のトップから見限られようとしていたのです。
ラブとの絆と組織に対する忠誠心に板挟みになり、悲痛な表情で戦いに挑むイースが切なかったです。
せつなの正体を知ったラブはイースと心を通わせるために戦いに挑みますが、イースは「組織の役に立てない自分など、存在価値がないんだ!」といった趣旨のことを叫びます。
このシーンでのラブの行動がすごくカッコよかったです!
ラブは今までせつなと築き上げてきた時間を思い出しながら、「誰がなんと言おうとあたしはせつなの味方だよ!…だから…存在する価値がないなんて思わないで!…あたしの大切な友だち……。」とせつなに伝えるシーンにすごく感動しました。
この漫画はどのシーンも美しい絵柄で描かれていますが、この時のシーンは特に絵的にも素晴らしくてグッと来たので、必見です!
他にも、イースと同じく『ラビリンス』の幹部で同僚のウェスターが、プリキュアとなったイースを心配するような表情を見せたり戻ってくるように説得したりするシーンが可愛かったです。
この描写は目立って描かれているわけではありませんが、小さなコマにも拘っている事が伝わりました。
おまけのページも書き下ろしイラストが豊富で、見応えがあって面白かったです。