この漫画では、双子の成長録を軸として様々な話が展開されていきます。
ベビーシッターとして双子の面倒をみることになった高校生の女の子と、自分の甥や姪に当たる双子を諸事情で預かることになったニュースキャスターの男性の4人で主に展開されていきます。
とても可愛らしく優しい絵のタッチが作品にとてもマッチしていて、双子の成長を一緒に見守っているかのようなほのぼのした気持ちになることができます。
話が進むに連れて、どんどんお兄さんお姉さんになっていく双子に目が離せません。
最初の方ではまだあまり2人には違いが見られず、「可愛い双子」というセットで見ることが多いのですが、少しずつ性格にも違いが出てきて一人一人の個性が次第に大きくなっていくところも目が離せませんでした。
女の子の方は、食べる事が大好きで思いのままに行動するちょっとおてんばな子です。
男の子の方は、ベビーシッターである高校生の女の子の事が好きになりやきもちを焼いたり、かっこいいところを見せようと奮闘したりします。
その様子も小さい子ならではの可愛さや真剣さがありとても微笑ましいです。
夕日が綺麗だねと話しながら歩いていると「あの夕日あげる!」とドヤ顔で言ってくるシーンもとても可愛らしいです。
中でも私が好きなシーンは、双子が2人の手を離れて祖父母の家で暮らすことになった時に、双子にその話を伝えるというシーンでした。
毎日おじいちゃんおばあちゃんに会えると喜ぶ女の子とは裏腹に、2人にはなかなか会えなくなってしまう事を知り「いきたくない」と駄々をこねます。
女の子もそこで会えなくなることを知り、行きたくないと言いだしてしまいます。
それでもどうにか説得をして送り出すシーンだったのですが、離れたくないと言う双子と離れたくないけれど幸せを願って説得をする様子に思わず涙が出そうになりました。
最終巻では少し時間が進んで小学生になるのですが、男の子の片想いも女の子の明るい性格もそのままで、微笑まし地に持ちになりました。
今までに比べると会うことのできる頻度は減っていますが、そこでもまだよく会っているような描写がありよかった、と、安心しました。
さらにこの漫画では、恋愛の類のものも沢山あります。
どうしても付き合いたくていきなりキスをしてそこから恋愛が始まる、なんていうものがあるかと思えば、本作のメインヒロインである女の子に長年片想いをしていた男の子の葛藤を描いていたり…。
中でも私が好きなのは、後半の方で描かれるニュースキャスターと女子高生の恋愛模様でしょうか。
歳も離れているし、相手は芸能人。
自分はベビーシッターという立場なので恋愛などしてはいけない、と、思っていながらも、双子を通して一緒にいる時間が長くなるに連れお互いに惹かれあっていきます。
両想いであることは作中で何度もほのめかされているのですが、本人達はなかなかくっつかずに見ているこちらがうずうずしてしまうような、甘酸っぱい恋愛模様が描かれています。
最終巻で描かれる数年後のお話で晴れて結ばれることになるのですが、待ちに待ったそのシーンに思わず何度も読み返しました。
繊細なタッチで描かれている作品だからこそ、感動が大きかったように感じます。
他にももちろん見所は沢山あります。双子がなぜ両親と暮らしていないのか。その両親は今どこにいるのか。
そして何故ニュースキャスターをの男性が双子を預かることになったのか。
また、ベビーシッターの女の子の生い立ちなど…。
可愛いだけではなく、そう言った部分にスポットを当てられた真面目な話も沢山あり、考えさせられる作品でもあります。
どのような視点で見るかによって見え方がガラリと変わるのも、この作品の魅力の一つです。
興味がありましたら、是非一度手に取って見てください。