Kiss(キス) 1 月号 銀のスプーン、73話 感想
※ネタバレ注意です※
前回、お友達の誕生日会で、おもちゃを盗んだと勘違いされて、そのおうちを飛び出してしまったルカ。
自分の気持ちがよくわからなくなっている中で、彼の中で間違いなかったのは、てっちゃんに会いたいという気持ちだけだったのかもしれません。
駅まで行って、お金がないと気付いたルカは律に電話をかけます。
そして友達の誕生日プレゼントを買うお金を貸して、と嘘をつくんです、最初からプレゼントを買うつもりなんてないのに・・・!
しかしプレゼントを買いたい、と嘘の中にも微妙に現実にある事柄を入れるあたりが、彼の頭の良さを表わしている気がしました。
そう、ルカは頭がいいんです。
きっと、年齢以上にい、他の周りの人が思っている以上に理解ができるんです。
だから、お金を借りてまでしててっちゃんが以前ステージに立っていたライブ会場まで行き、楽屋口にいた芸人さん達から、てっちゃんがどうしてママと自分の前からいなくなったのか知らされ、全てを理解したのだと思います。
表に感情を出さないルカのことを考えると、このライブハウスからのひとりきりの帰り道、どんな思いだったのだろうかと思ってしまいました。
きっとすごくショックで悲しかっただろうし、やり場のない怒りが湧いてきたのではないでしょうか。
さて一方で、お誕生日会から姿を消してしまったルカを、マヤだけではなく恭子さんや奏や調、もちろん律が探し回っていました。
家族全員でルカを心配しています。
律経由でルカと連絡がとれてみんな安心して、「友達の誕生日プレゼントを買いに行き、そして買えずに戻ってきた」という嘘に誰も気づかず、誰もルカを怒りませんでした。
そりゃ、無事に帰ってきたことと友達思いの行動だったと思ったら、誰も怒らないですよね。
翌日学校に行っても、お誕生日だった友達がおもちゃのことはうまくみんなに話していて、ルカは悪者になることはありませんでした。
すべてはうまくいって終わった、ように見えましたが、ルカだけが納得していない様子です。
自分が悪いことをしたという自覚があるのに、だれも自分を怒らない。
その状況に納得できないんですね。
でも実は、てっちゃんが急にいなくなったことから発している、時間をかけた怒りのようなものが根本的にあるのではないでしょうか。
ストレスと怒りが一緒になってルカの中にあるように感じました。
「僕はすごく怒っていたのに」という、最後のコマの言葉が彼の本当の気持ちだとも思いますし、とても気になりました。
次回、何かまたルカが起こしてしまうのでしょうか・・・。
誰もルカの本当の気持ちに気付けていませんが、もちろんそれはうまくルカが隠しているからなのですが、しかしちょっとずつ異変は起きているんです。
早く気付いてあげないと、ルカが暴走するんじゃないか、と本当に心配です。
少年が悪い方向にいかないように、大人が早く気付いてあげて!という気持ちでいっぱいになりました。
次回、ルカは自分の気持ちをどうするのでしょうか。とっても気になります!