花よりも刃のごとく、6巻 完 感想
※ネタバレ注意です※
秋田書店から10/16に出版された『花よりも刃のごとく』6巻を紹介します!
かぐやが倒れて焦る一威はかぐやを呼び出した伊十が何か関わっているのではと思い、詰め寄りますが、より良い返事が返ってくることはありませんでした。
伊十の妹を元に戻す手伝いはするが、かぐやはお前の番士ではない、俺のものだ・・・と牽制する一威。
その様子を面白そうに見つめる伊十は、からからと笑うのです。
伊十が探す“夢の姫君”・お市さまと夢の中で対峙するかぐやにお市は急に刃を向けます。
お市はかぐやに失望していました。
身のほどをわきまえ、恋などに現を抜かすのでなく、徳川家を守る使命を果たすようにと、毎夜どれほど忠告しても改めないかぐやに憤りを感じていたのです。
幼い頃からかぐやに毎晩のように見せていた夢は、お市にとって忘れえぬ夫との別れの記憶でした。
一威はお市と夫との間に生まれた血を引く血筋のため、甘い態度をとっていたが、時をかけてかぐやに一威を諦めさせる手筈だったのだと明かします。
再びかぐやに眠りを運び、今度はちゃんとかぐやの体を使うつもりです。
もうかぐやという存在は要らない、とかぐやに刃先を向けながら告げるお市。
いまお市に必要なのは唯一、現世で動き回ることが出来るかぐやの身体だけです。
愛したあの人との血が途絶えないように見守り、何度生まれ変わったとしても徳川の血を絶やさず、愛しい夫との約束を守ることこそがお市の唯一となったのです。
そのためなら邪魔者は排除する、弱さは罪なのだから。
だから、弱いかぐやは淘汰されるのだと語るお市に私は確かに弱いですが、強くなりたいのだと本音をぶつけます。
一威がかぐやを支えているのです。なのに勝手に諦めることが出来るでしょうか。一威の隣を歩きたいと願っているかぐやが・・・。
その本気を受けたお市は自分をかぐやだけの力で退けよ、と言います。
その本気を見せてみなさい、と凄むお市にかぐやも誠心誠意挑むのです。
一威とかぐやの信頼関係の深さがうかがえる一冊となっています。
伊十の企みが果たして二人にどう関わっていくのか見ものですよ!
お市さまの本気に痺れました!!