雪花の虎、2巻 感想
※ネタバレ注意です※
上杉謙信が女性だったら、という作品の第二巻です。
史実に照らし合わせて描かれつつも、作者さんのザックリ面白わかりやすい注釈が楽しみで待っていました!
虎こと上杉謙信の終生のライバルである武田信玄が、父親をクーデターによって国外追放するのと同時期に、虎の父は病死。
上杉家は虎の兄上杉晴景が当主となり虎もまた寺の生活から、屋敷に呼び戻されます。
13歳になった虎は相変わらずの男勝りな生活を送る中、初潮を迎え自分が女である事を突きつけられ、
子供の頃から大好きな父に男として育てられ、女である事を受け入れられない虎が泣きながらお寺に駆けてゆく場面は、子供とは思えない強さを感じました。
初潮を迎えて泣く虎に、寺での育ての兄分だった宗謙が『女子は男より強いと思った。だからこそ男より男らしく生きてみろ』と話すエピソードは、この二人の関係が好きだったので思わず目頭が熱くなります!
宗謙が虎を思い心配しつつも強く生きていくように力強く励ますこの場面は、子供の頃からずっと虎を見てきた宗謙だからこそのセリフだと思います。
14歳になった虎は兄の手によって名を景虎と改め男として元服します。
病弱な兄の代わりに虎は家の危機を守る為大将として戦の要である栃尾城に入城すべく出陣。
初陣に出た虎は見事な才覚をみせて、敵の弱点をつき勝利を収めました。
武将としての才能が周囲に認められる事で病弱な兄と比べられ、兄の評価は下がっていきます。
本当に仲の良い兄妹の二人の関係がこれからどんな風に変化し翻弄されていくのか、今からとても気になります!
男として育てられてきた虎が、自分が女である事を受け入れて隠さずに、それでも男として生きていくことを改めて決意するこの二巻は読んでいてとてもスカッとします!