群青にサイレン、2巻 感想
※ネタバレ注意です※
2巻でも相変わらず暗い主人公、修二でした・・・。
新ポジションはキャッチャーだと発表された修二。
監督はたとえ左投げであっても、今の部員の中で修二がいちばんキャッチャーに向いていると思ったから任せようと思ったみたいですが、
修二が何かと戦って傷ついていることは見抜いていたので、修二のためにもなるように、とキャッチャーというポジションを与えてくれた気もしました。
野球部を強くしようと燃えはじめたので、そのような考えはないかもしれませんけど・・・。
でも「大丈夫だ、おまえは強くなる」の言葉には、たしかな優しさを感じます。
修二のことを影で認めてくれる存在として、監督は修二にとって、とても重要な人となっていく予感がしました。
この巻では修二に笑顔はほとんどありませんでしたね。
1巻でも少ないと思ったのに・・・、もっと少ないと思いました・・・。
でも無理もないです。
ピッチャーとしてマウンドに立つことのできない自分がどれほど悔しいか、痛いほど伝わってきましたから。
しかし、最もピッチャーをやりたくない理由は、空が嫌いだから・・・。
その気持ちを全く理解できないわけではありませんので、偶然にも手に入った、もう一度ピッチャーになれるチャンスを逃した修二の虚無感がこちらにも移ってくるようでした。
修二が、空のただ楽しく野球をしたいだけという真っすぐさを理解していながらも、(ごめんな、それでも俺は、おまえが嫌いだ)と涙を流す場面は、この巻でいちばん印象に残った場面です。
試合でストライクを投げることができないトラウマを治したいと考えていた修二の話を聞いてくれたのは角々谷でしたが、やっぱり彼にもなにか過去があるのかなぁと思わせますよね。
でもトラウマの原因である修二の後悔を聞いて慰めてくれる角々谷は、もの凄く優しく、頼りになる友人です。
角々谷の「そんなもんさ」は自分がなにか失敗した時にも言ってほしいなぁと思いました。
正直トラウマの原因である修二がやった小学生のときの行動はとてもずるいと思いましたが、それだけピッチャーに固執していること、結局バレたらどうしようと緊張して上手くいかなかったこと、ずっとそれを引きずっていることが、修二を応援したい気持ちにさせられます。
ピッチャーになる道も野球部をやめる道を残されていないと塞ぎ込んだ修二。
(どうせどん底なら、何をしたってどん底だ)
キャッチャーになる道を選んで終わった2巻でした。
次は合宿が始まるとのことですが、そこで修二がもっと前向きな気持ちになれる出来事が起こればいいなと願ってしまいます。
あと空の出番も増えてくれるでしょうね!
従兄弟同士、という関係がマイナスにばっかり働いている気がする修二と空。
思い切って空からケンカとかしちゃえばいいのに、って思ったりもしますが、同い年とはいえ親類と友人ではちょっと違うというのもあるのかな、と・・・。
空も修二の気持ちはわかるし、先輩に今はほうっておくべきと言われてしまいましたし・・・。
どうしていいのかわからないのは空だって一緒ですよね。
いつか2人が打ち解け合ってくれるとうれしいです。
続きがとても楽しみな作品、3巻が待ち遠しいです。