Kiss(キス) 6 月号 はじめまして さようなら、4話 感想
※ネタバレ注意です※
岸川君の幼い頃のアルバムを見せてもらっているところからスタートしました。
岸川君は亡くなったお父さんと何かあったのでしょうか、そう思わせる雰囲気がありました。
今回の個人は剛谷世一さんという男性で、奥さんは先に亡くなっていて、子供たちが3人いました。
そしてどうもお父さんは姉弟達に迷惑をかけながら生きてきたようで、姉弟達に、彼の死を悲しみ悼むという気持ちはなかったようですね。
とにかく世間体の為にやるお通夜と告別式、というのも、理解できるような気がしました。
珠子が気づいた、お線香すらだれもあげない、というところに、彼らの気持ちが見える気がしました。
その上、お通夜に借金取りが現れるなんて、死んでまで何してくれんだ!!と思っても責められないし、すごく悔しくて悲しいだろうと思いました。
次の日にお父さんを許せない姉弟たちが、告別式は欠席したいと考えて式場に来なかったことは、それは良くないだろうと思いつつ、しかし心情的にはとても理解できました。
喪主がいないんじゃ、なにもできなくて、最終的に本人たちが困るのでは??なんて思ったりしつつ、
しかしどうしても今日(告別式)こそ顔を見たくない、という強い気持ちが、彼らの父親への気持ちはもう修復されることはないんだ、と思わせて、とても切なくなりました。
結果的に一番下の妹さんだけが告別式をやってほしい、と言ってくれたので、火葬まですることができましたが、単純に良かったと表現するのは実は難しいことで、妹が葬儀をやって正解だったのかどうかはわからないな、と思いました。
もちろん姉たちのとった行動は社会人として問題だと思うのですが、これが正式に手続きを踏んでのキャンセルだったら、珠子の望む最後のお別れを現実的にしないで済ますことも可能だったのでは、と読みながら思いました。
しかし最後にお別れをした・しないに関わらず、心に残っている父親の思い出やイメージが、今後のこの姉弟たちの人生に影響するのではないか、とも思いました。
そう思うと岸川くんの、「残され家族の事情は本当にそれぞれだ」「すべての遺族にとっての幸せな葬儀なんてあるのかな?」という言葉が意味ありげでとても気になりました。
珠子は遺族にとって後悔のない、幸せな葬儀を目指していると思いますが、岸川君は考えが違うのかもしれませんね。
珠子に「幸せな家で育ったおまえにはわからないかもしれない」という言葉や、冒頭の岸川君のアルバムへの態度から、お父さんへの気持ちに何かがあったのではないか、と思いました。
今後明らかになるのでしょうか。
そして、岸川君が考える葬儀についてもとても気になりました。
次回の展開がとても気になります!