ふたりめの王子様 感想
※ネタバレ注意です※
「ふたりめの王子様」は、八千代小春という23歳の女性が、自分の働いている会社の社長、京極綾人に恋をしているところから始まります。
綾人は学生で起業した期待のホープで、主人公の小春とは5歳しか変わりません。
小春は若いのに仕事が出来る綾人に憧れを抱いたのです。
ですが綾人の従兄弟の伊能由以哉が、綾人の恋人になる事を許してくれない空気があって困っていました。
由以哉は悪い人でもないですし特別仲が悪いわけでもありませんが、そのせいで気まずい感じになっています。
しかし、仕事やプライベートで時間を共にするうちに由以哉が凄く不器用な事も分かってきて、2人は仲良くなっていきました。
そんな中、由以哉が綾人と小春をこっそり2人きりにするセッティングを行います。
綾人と小春は由以哉にまんまと騙され、2人きりになりました。
しかし、小春は目の前の綾人にときめかないし、由以哉の優しさを感じて苦しくなります。
そこで小春は、綾人ではなく由以哉の事が好きなんだと気が付き、その胸中を綾人に伝えました。
綾人は怒ることもなく、「憧れてもらえて嬉しい」といった言葉をかけてくれます。
その後、由以哉に会った小春は、自分の気持ちがグチャグチャのまま、ほぼ勢いで泣きながら告白します。
由以哉も小春の事が好きだったので、付き合う事になりました。
社長が綾人のため、他の社員にすぐに交際がバレて冷やかされたりもしましたが、仲の良い恋人を生活を送っているというところで1つの話が終幕します。
そしてその次のページから「甘い記憶は匂い立つ」というタイトルで、別の人物にスポットを当てたストーリーが入ります。
その話が終わると「ひとりめの王子様」というタイトルで、京極綾人が無意識に危険な行動をとる女子大生に、優しく諭す話が収録されていました。
好きだと思っていた人よりも、最初は少し苦手意識があった人の事を好きになるシュチュエーションは、恋愛漫画の王道だと思います。
王道だからこそ、人間の複雑な心や変わりやすい心を描写していると思うので、個人的には好きなシュチュエーションです。
また、社内恋愛にスポットが当たっていることで、大人でも読みやすい作風になっていると感じました!