私の少年、1巻 感想
※ネタバレ注意です※
30歳の聡子は大学生時代のかつての恋人と同じ職場に勤めていて、なにかとその元彼は聡子に絡んできます。
周囲に付き合っていると勘違いされそうになったりと、2人の親密さを醸し出してくる元彼に対して息苦しさを感じていたある夜、聡子は近所の公園で1人でサッカーの練習をしている少年、真修と出会いました。
12歳の割に幼い服装に伸びっぱなしになった髪の毛、まるで女の子のような美しい外見の真修に対して少し違和感を感じながらも、聡子はなりゆきでサッカーの下手な真修のコーチをすることになります。
聡子の仕事終わりに待ち合わせて一緒に練習をすることが日常化していたある日、元彼から話があると告げられて居酒屋へと向かうと、そこにはその元彼と婚約者の彼女の姿がありました。
その2人の姿に対面して、元彼に対して期待を抱いていてしまったことに気づき、聡子はなんともいえない恥ずかしさと虚しさを感じます。
その心の隙間を埋めるのは、真修の存在でした。
聡子は真修がなにかしらの家庭の問題を抱えていることを感じるようになります。
しかし踏み込むことができずに、真修との不思議な関わり合いが続いていくのでした。
真修くんの妖艶とも言える不思議な魅力と、その内面の幼さ、純粋さ、そして真修くんの家庭が作りあげた心のアンバランスさを感じる雰囲気に引き込まれます。
そしてさんざん聡子へと絡んできた元彼・・・婚約者がいるのにも関わらず聡子への謎の執着心が垣間見えました。
聡子と真修くんの大人と子供という立場を超えた不思議な心の交流と、元彼と聡子の表面上は大人の対応をしながらも奥底のドロドロが感じられる空気感、
両者の相対するバランスが絶妙で、なんとも先が気になります。
またとにかく作画が美しいです。
真修くんの穢れなき少年の魅力が全開といってもいいのではないでしょうか。
聡子の真修くんへの感情は一体なんなのか、
真修くんの聡子への感情は一体なんなのか、
2人の関係は今後どうなっていくのかがとっても気になります。
大人が読むのにピッタリのオススメの一冊です。