甘々と稲妻、10巻 感想
※ネタバレ注意です※
小鳥は進路についての悩みが解消され、休業中だった実家の料理屋も営業再開した事で、母と共に「店を継ぐ」という目標を見据えて、店の手伝いを始めました。
これまで仕事で忙しく店を開けることが出来なかった母と過ごす時間が増える中、一つの異変に気が付きます。
それは、かつて離婚した両親が最近、頻繁に連絡を取り合っている様子だということ。
両親は復縁するのか、したいのか、自分自身が それをどう受け止めてよいのか小鳥も思い悩むのです。
改めて語られる、夫婦の離婚の原因と今後について触れられる一方、つむぎも小学校に上がり友達も増え、出来ることが どんどん増えていきました。
自転車に乗る練習をしたり、学校行事の模擬店を楽しむ中で「お金」の怖さを知ります。
それぞれ悩む二人ですが、恒例のご飯会を通して、様々なキッカケを得て成長していきました。
小鳥は受験への恐怖に立ち向かい、さらには その先の未来を想像する中、自分の気持ちを ほんの少し、自覚します。
つむぎも初めて仲良くなれない友達の登場に戸惑い、好き・嫌いといった感情の扱い方を学び、また一つ大人になっていくのでした。
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小鳥にフォーカスが強く当たっていたと感じる第10巻。
かつて離婚した両親が、自身の進路相談をキッカケとして、頻繁に連絡を取り合うようになった事が嬉しい反面、複雑な心境で揺れ動くさまが描かれています。
すれ違ってしまった気持ちもあれば、改めて気が付く気持ちもある。これまで あまり直接的には表現されてこなかった、小鳥の犬塚先生へ向けていた感情の正体を なんとなく自覚するのですが、そのシーンに思わずドキリとしました!
まさに少女漫画と言わずにはいられない切なさです。
犬塚先生と その娘である つむぎたちとの交流の中で、父性に対して憧れを抱いているといった温度感だった小鳥の感情が、もう一歩 具体的な感情に変っていく様子を見ていると、今後の展開が気になって仕方ありません。