LIMBO THE KING、3巻 感想
※ネタバレ注意です※
近未来の2086年アメリカ、新型となって復活した8年前根絶したはずの「眠り病」。
LINBO THE KING 3巻では眠り病の原因と真実を探るべく、眠り病の研究を専門に行うCNAS所属のアダム・ガーフィールドとルネ・ウィンターは、上層部には極秘で感染者の記憶にダイブを繰り返します。
めぼしい手掛かりが掴めない中、アダムの末の弟であるハリーが感染していることが分かり、二人は感染源を特定するためハリーの記憶へとダイブしました。
ハリーの記憶の中で二人は眠り病の原因を突き止めますが、そんな中、大統領が眠り病再発についての緊急会見を国民に向けて発表します。
混乱した国民はCNASに詰めかけ、その中の一人が眠り病を発症。CNASは大混乱に陥るのです。
騒ぎを聞きつけ、駆けつけたアダムはその対処に当たりますが、そこでCNAS全体が信用ならないことに気づきます。
一方ルネは、CNASの内部でルネと同じダイバーと思われる謎の少女に出会いますが、「あなたたちにとてもよくないことが起きるかも」と言い残して少女は姿を消します。
眠り病の原因をばらまいているのは果たして誰なのか、二人は独自に捜査を続けるのですが・・・・・・?
眠り病を治療するためのダイバーであるルネと、ダイバーを現実に連れ戻すコンパニオンであるアダムの、一見でこぼこのように思える二人の距離感が3巻ではさらに縮まります。
ルネがアダムの記憶に入り込み、昔のアダムと対話することによって、また変化するその距離感に胸を掴まれました。
弟のハリーとアダムの記憶が混ざり、フラッシュバックしたことからルネは少年であった過去のアダムに出会います。
虐待をしてくる自分の父親を殴り、自分はきっと人を殺すような人間になるというアダムに、ルネは優しく「過去の意味は自分で変えられる」と諭しました。
眠り病を治療するためには記憶を消さなければならないのですが、それは本人にとってその過去が無かったことになってしまうのです。
「過去が現在を作っている」これまで伝説のダイバーとして迷わず治療を行ってきたルネが言う言葉からは、彼にしか分からない痛みと苦悩がにじみ出ているように思えました。