まとめ★グロッキーヘブン、1巻 感想
※ネタバレ注意です※
こちらの作品を買ったきっかけは、書店にて『ARIA×pixiv新連載オープンコンペで満場一致で大賞に決定! 男女逆転? 学園ラブコメ』と書かれてあるのを目にして興味をもったからです!
最初に描かれるのは、表紙の男女とは違うヒーローとヒロイン。
出会いがしらにぶつかり、転んでしまった二人ですが、男子が起き上がろうとすると、手に柔らかい感触が。
起き上がる拍子に女子の胸を鷲掴みにしてしまって、女子に「イヤァァァ 痴漢!」と拳を飛ばされ、「なにすんだよこの暴力女!」と反論します。
いわゆる、少年誌のラブコメチックな始まりです。
これが22年前のこと。主人公はこの二人の娘、海原まとめ16歳です。
まとめは生まれてからずっと女子校育ちで、恋はおろか男子と話したこともありませんが、この日より彼女の通う桃ノ陽女学園が、少子化により鯉昇男子校と吸収合併し、共学になりました。
(何かが変わるとゆー期待!)と目を輝かせて学校に向かうまとめ。
ですが両親は男子校のとある生徒に少し不安があるようで・・・。
学校では校庭にひしめく男子生徒を、校舎から見つめる女子生徒の群れ。
演劇部員のまとめは、同じく演劇部員の友人と一緒に新入部員および男探しに強制的に出向きます。
廊下では「桃女のマドンナ」と、誰もが一目惚れしてしまう「鯉高のプリンス」森島集が演劇部への勧誘で対峙し、人目を集めていました。
まとめは人だかりを見ようと友人と走り出しましたが、近くにいた男子が持っていた練乳にすべり、転び、廊下を滑っていきます・・・。
一色岬の股をパンツを映しながら潜り抜け、とうとう集に当たってとまり、起き上がろうとしましたが・・・
「超滑った~ ん? 右手になんか柔いものが・・・」
それは巻き込まれて倒れた集の股間でした・・・。
「しゅしゅら しゅみませああぁ わざとではないんですううぅぅ」と慌てふためくまとめでしたが、集は怒り心頭でまとめへと拳を振り下ろそうとした・・・ところでチャイムが鳴りました。
翌日の朝すぐに男子の着替えシーンに遭遇し、男子に練乳をぶっかけて・・・さすがにまとめも、このハプニングメーカーぶりにおかしい!と気づきますが、集を前に地雷をふみまくり、とうとう集は怒りのあまり机を馬鹿力で分断します。
まとめの両親の心配はこのことだったのです。
「ラッキースケベ」と呼ばれた父、「暴力ヒロイン」と呼ばれた母。
これはそれぞれの「血」の運命だったのです。
母は「この危険すぎる血を目覚めさせまいと私達は親族一同総出をあげて対策してきた。特に彼とは会わせまいと。彼・・・森島家のDNAを受け継ぐもの。私の甥」と回想します。
海原家の血、ラッキースケベ海原まとめ(女)
森島家の遺伝子、暴力ヒロイン森島集(男)
父は言います。
「我々はまだ女が男にだから成立したのだ。が、男が女にふるう暴力は洒落にならん」
まとめもそう思ったのでしょう。
「生にしがみつけ!」と集に殴られる前に逃げ出します。
しかし同じ学校なので、その後も股間に顔面をぶちあててしまったり、鞄を集の股間にはさんでしまったりとラッキースケベを連発してしまいます・・・。
集は、まとめも女子がいることも心底嫌で、「あんたが俺のためにできること・・・それは未来永劫俺に関わらないことだ」とまとめに言い捨てますが、彼が帰宅すると、なんと大家さんが源泉を掘り当ててアパートを解体して、集は帰る家が無くなっていました。
「たしか近所に叔母の家が・・・」と頼りにしたのは、海原家に住むまといの母。
つまり、まといの家で二人の同棲生活が始まってしまう!?というお話です。
終始かわいい絵柄で、王道ラブコメの逆を貫いています。
女子はやる気に満ちてて元気があり、男子はふつうに男らしいのに、絶え間なく起きるハプニングのせいでなぜかかわいく?見えてきます。
真面目にハイテンションで読者を飽きさせません!
王道ラブコメ好きな人も、女性はもちろん男性にも楽しい作品になっています。