ちはやふる、32巻 感想
※ネタバレ注意です※
千早の一言で瑞沢高校が藤岡東高校に勝ち、3位に入った事が確定しました。
一方決勝戦では北央学園のヒョロくんが、「運命戦」を強いられていました。
けれどヒョロくんはその運命戦を勝ち抜き、見事団体戦の優勝校が東京都の北央学園に決まったのです。
惜しくも優勝を逃した富士崎高校の面々は、悔し涙を流しました・・・。
そして3年の団体戦を前に引退した太一は、藤岡東高校の生徒として参加していた新から参加しなかった事を責められてしまいます。
新はムキになった事を詫びますが、瑞沢の面々は部長の太一抜きで最後の夏を終えてしまった事を痛感するのでした。
その後、全てを片付けて会場を後にする時、千早は既にその場から居なくなっていた太一の姿を探します。
しかし太一は、何処にも居ません。
するとそこに新がやって来て、祝の品を渡してくれます。
それは、太一から瑞沢の皆に宛てた贈り物でした。
千早はその贈り物を目にしただけでも感激し、そして悲しくなってしまうのでした。
そして後日、個人戦の時がやって来ました。
参加する生徒たちは勝利に意欲を燃やし、緊迫感を味わいます。
もちろんその個人戦には、クイーンの詩暢も参加します。
詩暢は着物を着て微笑を浮かべ、周囲に余裕そうな態度を見せていました。
個人戦が幕を開けると、最初に映った戦いの様子は、C級の奏の試合です。
奏はいつものように家の着物に身を包み、凛々しい表情で鎮座したのでした。
その一方で1年の田中は詩暢に惨敗してしまい、肉まんくんに一喝されます。
その後すぐに千早と詩暢が、戦う番がやって来ました。
詩暢は千早に対抗心を燃やしまくりの様子でしたが、千早は純粋に詩暢との対戦を良い物にしようとしていました。
千早と詩暢の勝負は互角で、観客も千早の凄さに気付き始めます。
結果としては、詩暢はかなり強く、千早は大健闘しつつも7枚差で負けてしまうのですが、試合終わりに2人ははっきりとクイーン戦で戦う事を約束するのでした。
また、千早と詩暢以外の面々も、必死に正面の相手とぶつかりました。
皆が皆自分のために、そして仲間のために団体戦を戦ったのです。
高校3年生の最後の部活、その中でも団体戦はとても思い出に残る物でしょう。
そのメンバーでその校名を背負って、戦う事は後にも先にも無いからです。
だから優勝を逃して泣く事にも、優勝して歓喜する事にも共感出来ますし、素晴らしく青春を感じます。
そして個人戦は1人きりで戦っているように思えて、やはり仲間と共に戦っているというのも伝わって来ます。
いつも通り自前の着物を着て挑む奏も、1年生を励ます西田も、そして詩暢との戦いを楽しみにしていた千早も、誰もが熱い気持ちを持って、かるたを前にしているのが分かります。
それから色々と不器用な詩暢からも、競技かるたに対する深い愛が伝わってきます。
それに詩暢の中で千早の存在が大きくなっているのも感じられて、非常に嬉しいです。
やっと千早が詩暢から、認められた気がするのです。
さらに太一がまた仲間になってくれたら、もっと嬉しいですね。
33巻も楽しみです!