群青にサイレン、3巻 感想
※ネタバレ注意です※
合宿が始まって、ついに修二はキャッチャーの練習も始まりました。
とにかく嫌で嫌で仕方ない!という、相変わらずの暗さを発揮する修二でしたけど(笑)、
心とは反対にキャッチャーとしての資質を見せていたと思います。
下半身の動きを褒めてくれた監督は、修二のお父さんのことを知ってる様子ですね。
だから修二にキャッチャーを任せた、という経緯もあるのでしょうか。
一方、初めて空の球を受け、空の努力を見せつけられていた修二。
(――ああ、主人公になる人間は、多分こういう奴だ)
ここの修二は、嫉妬の感情よりも、純粋な憧れや努力を認める感情のほうが強かった気がしました。
バッテリーを組んで、強制的に向き合わされていく2人。
それがいい方向に向かっていると思いました。
しかし、笑顔が消えてしまった空。
ほとんど未経験だった修二が軽々捕球するのが悔しいのかなぁなんて想像したのですが、全然違いましたね!
そんな簡単にピッチャーを諦められるはずもない修二が、つまらないという顔で球を捕り、ナメているように感じたからなのですね。
修二の気持ちを考えれば、空の球を受けるだけではそうなってしまうのは仕方ない気もしますし、また、空が自分でそれを修二に伝えられないことも課題だと思いました。
とはいえ、バッターがいると途端に捕球もままならなくなり、なのに練習試合が翌日で、キャッチャーを任せられることの意識がみるみる変わっていった修二。
ここから空と話すことも、少しずつ心の余裕が出てきてるように感じました!
「バッテリーって、キャッチボールしてるみたいだろ・・・?」
空のこの言葉で、懐かしい思い出の日が頭に浮かんだ修二には、微かでも前向きさがあると思います。
たとえ練習試合でも、勝ちたい、負けたくないという気持ちは一致し、2人の見る方向が少しずつ同じになってる気もしました。
最初は不安が渦巻く修二の失敗が目立ったような試合でしたが、監督は修二のキャッチャーとしての意識が完全に目覚めることを見越していたのでしょうか!?!
空のカーブを捕ることが出来ればという思い、相手の弱点を見抜いてのサイン、修二の急成長にもはや感動しちゃいますね・・・!!!
(一回試合でバッテリー組んだからって調子に乗るな)には、修二らしいなぁとちょっとクスッときてしまいましたが(笑)
試合終了後ピッチャーに光が当たること、敵校の捕手も空に注目してること、まだまだ苦しい気持ちを乗り越えたとは言えませんが、その辺りは玉井くんが今後も重要な存在になってきそうでしょうか。
キャッチャーに強く憧れる玉井くんの純粋な言葉は修二の心に響いていますよね、
ピッチャー志望のはずなのにキャッチャーのすごいプレイを見て震える、だけどまだ苦しい、悔しい。
そして修二とバッテリーを組み続けることを前提に、人一倍の努力し続ける空の姿。
これまで、嫌だという感情が溢れて、どうしようもないという気持ちでいた修二が(どうしたらいいのか、わからない)
修二の心は新しい段階へと踏み込んできたと思います。
それはきっと、素晴らしい決断へと繋がっていくはず・・・!
今がいちばん辛くて悩む時かもしれませんが、修二は乗り越えてくれるでしょうか?
とにかく心配になる主人公だからこそ、応援したくなり、目が離せない修二。
4巻の発売が待ち遠しくって仕方ありません!!!