オオカミ少女と黒王子、16巻 感想
※ネタバレ注意です※
ついにエリカと佐田くんは卒業式を迎えました。
卒業の実感も湧かないまま式が終わりみんなが帰った後、ふとしたエリカの提案で学校をぐるっと一周することに。
色々と見て回る二人ですが、いたるところに思い出が溢れています。
二人は、最初に嘘をつくことになったベンチの前で様々な出来事を思い返します。
「笑えるな どっちを向いてもどこに行っても 全部おまえがいんだから」と言う佐田くん。
卒業に寂しさなんて欠片もないけど意味のある場所だ、エリカがオオカミ少女で良かった、という佐田くんの言葉で、
自分の嘘がなかったら佐田くんと出逢えなかった、「あたし大嘘つきでよかった」とエリカは泣き出してしまいます。
そしてみんなに見送られながら、エリカは京都に旅立ちました。
4か月ぶりに佐田君に会えると嬉しそうなエリカですが、楽しい時間はあっという間です。
別れ際、帰らないでというエリカに佐田くんは「卒業したら一緒に住むか」と言います。
そして高校卒業から9年後、二人は結婚し女の子の父と母になっていました。
エリカと娘が遊んでいるところを見ながら、ふと幸せを実感する佐田くん。
「こんなふうになんでもない日々が これからもずっと続けばいいと思う」というエリカの言葉で、締めくくられています。
学校なんてくだらない、と思っていた佐田くんにとって、エリカと出逢い一緒に過ごした学校が意味のあるものになったこと、エリカと佐田くんが高校卒業後も順調に付き合っていっていたこと、ただの冷たい男だった佐田くんがエリカを一緒にいることで最後にはこんなにも素直になったこと、
どれをとってもハッピーエンドで、とても胸が温かくなりました。
同棲をはじめる際には、お互いが自分に精一杯でケンカをし、でもお互いを思うから妥協もし、そんなところも共感できて、とてもほっこりしました。
問題がたくさんあった二人だけど、やっぱり好きな気持ちは最後まで変わらずエリカの佐田くん大好きっぷりも安定で、始まりのページからおわりのページまで楽しく読めました。