黒源氏物語、3巻 感想
※ネタバレ注意です※
3巻の最初の第8話は、藤壺の女御の姪である紫の君が、心の中で光源氏を紹介するシーンから入りました。
その後、紫の君の事を光源氏が可愛がっているシーンが続きます。
そんな中寝ている紫の君の事を、頭の中将という左大臣嫡男の色男が連れ出しに来ました。
頭の中将は、光源氏は身分が高く子どもを引き取れるような人ではないから、光源氏の迷惑にならないように父のところに帰ろうと諭します。
ですが、紫の君は迷惑な事は分かっているが、お互いが好きだから喜ばせたいから寄り添っているんだと答えました。
紫の君は光源氏の事が好きで、早く相応しい女になりたいと思っているのです。
その答えに頭の中将が呆然としていると、光源氏がやって来て、頭の中将を睨みつけました。
頭の中将は「少女を本気で関係を持つのか」と冷静になるように言いますが、光源氏は紫の君の事を愛しているから渡さないと凄みます。
紫の君も光源氏に愛している事と側にいる事を伝え、光源氏はその言葉に嬉し涙を流しました。
2人は仲良し兄妹のような関係を続けて来ましたが、光源氏はとある事情から1度だけ身体の関係を持った藤壺の女御と再び関係を持ちます。
それが複雑な事情あっての事だったために光源氏は我を失い、あどけない顔で見上げる紫の君にキスをしました。
驚いた紫の君は光源氏を拒み、涙を浮かべて震えてしまいます。
その様子を見て、我を取り戻した光源氏は、紫に謝り傷つけた事を酷く後悔するのです。
その日の夜、出先から戻った光源氏が紫の君に、もう1度謝ろうと寝所を訪れるも、そこに姿はありませんでした。
隠れていたところを見つけた光源氏は、思わず強く叱りつけて泣かせてしまい、少々関係が拗れてしまいます・・・。
その後、藤壺の女御の妊娠が発覚しさらにバタバタしますが、その事を機に関係が修復し、2人は晴れて恋人同士になりました。
それから幾つかの時が過ぎ、紫の君が成長して、光源氏と結婚します。
そして結婚後も、ちょっとした意思の違いが生じながらもラブラブな新婚生活を送っている様子が伝えられ、最後は光源氏が亡くなったことが明かされて完結します。
この物語は光源氏を主人公にしているので、元になった源氏物語やその時代の背景を知らないと少し難しい面があると思うのですが、
絵柄が美しく、主役の光源氏とヒロインの紫の君以外にも、和風美人が沢山登場するので、時代物に興味を持つきっかけになるとも感じます。
それからあどけなさの残る少女と、クールな美少年(青年)との年の差恋愛の様子は、キュンキュンしました。
また、とても純朴な少女と不器用な青年を見ていると、切なくなってしまいます。
最終的に関係が上手くいった事は嬉しかったのですが、ラストのシーンを読んでも涙を誘うラブストーリーだと思いました。