カーニヴァル、16巻 感想
※ネタバレ注意です※
一迅社から11/5に出版された『カーニヴァル』16巻の感想を紹介します。
お茶会の最中、化色と嘉禄、エリュシカの元へとやって来たのは、黒白でした。
功績をあげて帰ってきたという建前をエリュシカに告げる黒白に、エリュシカは今までどこにいたのかと詰め寄ります。
それを機転を利かし、黒白は失恋した傷を癒す必要があったから、と冗談を述べる化色に事をうやむやにされますが、エリュシカの一番は黒白が世話役に戻ること。
その事を強く推していたので、これ以上深く追及することはしませんでした。
嘉禄とエリュシカの世話役へと帰ってきた黒白は、すぐさま夏切や麒春に指示を出し行動を開始します。
一方研案塔では、花礫が夢の道となる一歩を踏み出そうとしていました。
花礫が所属するのは、カーニヴァルではお馴染みの医師・燭先生のチームです。
先輩の亜木(アコ)さんや玩目(ガンマ)に教わりながら新たな事柄を勉強していく中で、无がツクモに文字の勉強を教わっていた時のあの楽しそうな雰囲気や笑顔は、自分が今、サーカスの一員としての知識や経験を身につける度に感じている高揚感と同じなのだと気付きます。
それはこの先にある未来を目指して駆け上がっていくために必要なもので、覚えて経験し、この手に掴むためにあるのだと感じていたのです。
能力者いわゆるヴァルガに喰と與儀が尋問のため接触することになり、意識あるヴァルガの調査に駆り出されたためです。
喰の能力で意識のある最後の時を引き出すことが目的です。
喰の幻術の応用で、本人が見た他者が知らない脳内の映像を、他者も視認できるようにすることが出来るという能力で、条件はあるが、これを使って火不火の情報を収集していけるというわけです。
ヴァルガから映し出された映像は鳥の姿で、それを見た與儀の胸に小さな引っかかりを覚えます。
蟠りが消えることもなく、與儀の中に確かな揺らぎが広がって、その小さな異変は與儀の内面にも大きく影響を及ぼしていくのです。
今巻から登場した亜木さんや玩目の掛け合いなどが見ていて面白いです。
おまけの四コマ漫画の可愛らしさも折紙付きです。
そして、本篇での无の身に起こった現象がどう意味するのか、无が無意識の世界であった姿が見えない人物の正体とは何か、无が影響を受けているのが気になるところです。