ベルサイユのばら、12巻(エピソード編、2巻) 感想
※ネタバレ注意です※
今年から発売されているエピソード集の2冊目です!
本編では詳しく描かれなかったキャラクターのエピソードが読めます。
今巻はジェローデルのストーリーから始まります。
ヒロインはフェルゼンの妹ソフィアです。
二人とも本編ではあまり出番がなかったキャラクターですが、情熱的なオスカルの半生の裏で落ち着いた大人の関係を築いていたようです。
燃え上がるような愛でもなく、身を焦がすような恋でもない、ちょっとドライな同族愛みたいなものを感じました。
結局二人は結ばれないのですが、なんだかそれもこの二人らしいなぁ、と思います。
また、このエピソードで注目すべきは、オスカルが女装(笑)した舞踏会のシーンも描かれていることではないでしょうか。
そして次のエピソードは、「…この人たち誰?」という状態がずーっと続きます。
時代はアントワネットの母マリア・テレジアが結婚する前の頃です。
登場人物は名前も知らない人ばかりなので、「もしかして今回はマリア・テレジアが結婚するまでのお話かな?」と思って読んでいたら、なんとオスカルの両親のラブストーリーでした!
名前で分からなかったのは、未来のジャルジェ将軍が偽名を使っていたせいでした。
おそらくオスカルの母は今回が初めての実名公表だと思います。
連載終了から40年後に名前が明かされるなんて!
作者の池田理代子さんは、この設定をいつから温めていたのでしょうか。
控えめなジャルジェ夫人の情熱的な一面も見れて、二度びっくりです。
そしてオスカルのミドルネームに込められた両親の想いも明かされます。
本当に、40年前の伏線を今回収するなんて、どれほど熟成させていたのでしょうか。
「ベルばら」は登場人物の数だけ物語があるのだと実感する巻でした。