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うせもの宿 2巻 穂積先生

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※ネタバレ注意です※

なくしものが見つかる宿にやって来たのは、親友を裏切ったばかりの女性でした。

仕事や私生活がうまくいかず、大学時代の友達とも恋愛でもめてしまいそのまま死んでしまった聡美はうせもの宿で女将と出会います。

親友に酷い言葉を浴びせたまま死んでしまったと思っていた聡美に女将は探し物をみつけてくれ、親友の恋を祝福する言葉を送っていたことを知り、無事聡美は旅立ちました。

探しものが見つかるまで宿で働く料理長や、新入りの准、女将を気にかけるお手伝いのお軽さんも、女将の手を借りて旅立っていきます。

探しものが見つからず生前の記憶に苦しむ人達に女将は、自分は生前の記憶が一切ないことを告げます。

そんな女将にマツウラは、まるで生前の女将を知っているかのようなことを言い、さらに番頭も女将とマツウラの過去を知っているようなことを言いだします。

 

人それぞれが生前の出来事や人間関係、夢などを理由にうせもの宿に留まっており、リアルな描写にドキドキします。

皆の探しものをみつける手伝いをするのに、自分の探しものの手がかりが全くない女将によりそうお軽さんに切なくなりました。

そんなお軽さんの探しものをみつける女将と、女将をそばで支えたいからとせっかく見つけたのに探しものを隠すお軽さんとのやりとりが素敵で、最後の二人の顔が切なくてキレイでした。

女将を自分の娘に重ね合わせるお軽さんはすてきな母親でした。

 

記憶をなくした女将をみつめるマツウラの思いがとても複雑です。

女将は自ら記憶をなくしたいと懇願していたのですが、その相手が番頭さんでした。

記憶をなくしたいと願う生前の女将は、少女ではなく女性でとても思い詰めた顔をしていました。

女将とマツウラの過去も、番頭さんの正体も気になる終わり方です。


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