※ネタバレ注意です※
第27章
光正たち3兄妹が、幼い頃山小屋で出会った佳穂さん。
人の心が読める彼女が傷ついた、過去の恋愛が語られます。
彼女はある日、社内の亮さんと近づきます。
この亮さん、意地悪そうなキツネ顔のせいで、女子社員からは怖がられているのですが、佳穂さんは心が読めるので、彼が案外気のいい単純な人だと知っています。
そんな彼の急な仕事を手伝うことになった佳穂さんは、彼の前で書類作成を急いでいました。
その時、佳穂さんのきれいなうなじに亮さんは「なんだか・・触りたい」、そんな願望が頭をよぎります。
佳穂さんにはもちろん伝わるので、思わすドキッと振り向いてしまいました。
これがきっかけで、二人は付き合うことに。
でも佳穂さんの不思議なチカラは秘密です。
このチカラのせいで、幼い頃から何度も気味悪がられた佳穂さんは、あまり人と関わらないように生きてきました。
もう傷つきたくないのです。
しかしドジなところのある佳穂さんは、わかってしまう彼のいろんな考えに、思わず反応してしまいます。
何度かあれ?が繰り返されたある日、致命的に彼から疑われてしまいます。
「もしかして心が読めるのか・・?」 彼は思い詰めます。
「どうしても君の前に立てない。何もかもさらけ出す勇気なんかない」
彼のことが本当に好きだった佳穂さんは、ごまかすこともできず、ごめんねと会社も辞めてしまいました。
それから3年、山小屋で静かに暮らしていたところに光正たちがやって来たのです。
同じ能力を持つ彼らに、佳穂さんは「ごめんね、夢のない話を聞かせちゃったね」と謝ります。
そして現在、光正は木絵と、以前山小屋があった森にやって来ます。
近くに別荘があるのです。
けれどもし佳穂さんがまだ一人でいたら。
そう思うと山小屋へは行かず帰ることにしました。
その時、だれかが通りかかります。
もしかして彼かも。
光正には彼の心がわかります。
「いいんだ、僕はありのままで。大事なのは正直であること。彼女に会いたい。ずっと一緒に生きていきたい。」
亮さんが17年たって心を決め、佳穂さんにプロポーズしに来たのです!
感動しました。
この作者様独特の、すっとぼけたような描写との対比が良かったです。
嘘をついたりごまかしたりしなかった不器用な佳穂さんが、やっと幸せになるのがたまらなく嬉しかった!
同じ能力、そして少なからず同じ気持ちを持つ光正が、木絵に対して今後どうするのか。
この先の展開が、ものすごく気になります。