90年代のヴィジュアル系バンドブームの後期辺りにアニメ化までされ、2000年代にはニンテンドーDSと携帯アプリにもなった程の人気作品です。
本編は全17巻で完結後に後日談として発売された特別編が特にお気に入りなため特別編の感想を書かせて頂こうと思います。
本編はヒロインである愛音と超売れっ子バンドルシフェルのヴォーカルの咲也との恋愛ストーリーが中心なのでそれ以外のキャラクターはやはりサブ的なストーリーでしか展開しないため特別編ではメインカップルの裏側に隠れて居たカップルの後日談も収録されていて脇キャラに好きなキャラが居た身としてはこの快感フレーズ特別編は大変貴重な一冊です。
私が好きなキャラは桐生敦朗というルシフェルのギターを担当しているキャラクターで作中従姉妹のお姉さんと恋仲になるのですが、特別編ではなんとその従姉妹のお姉さんと結婚式を挙げてしまうのです。
特別編が出版されていたことを知った当時は結婚にまつわる事柄など全く無知だったこともあり血の繋がった者でも従姉妹同士は結婚する事が可能ということを知らなかったのでこの特別編で初めて知り漫画からそのような法律を学べました。
その結婚は俗に言うできちゃった結婚なんですが、愛音や他のバンドメンバーたちから「できちゃった結婚とはなかなかやるな」との言葉をかけられた敦朗が返した言葉が「違うよ!出来させちゃった結婚だよ!」と反論するんですが出来させちゃったとの自分から狙ってやったような発言が敦朗らしい可愛らしさがありこのご時世エピソードが敦朗が好きな私にとってとてもお気に入りの話になりました。
巻末には朔也以外のメンバーのその後の設定も記載されていて本編ラストでは全米デビューまで果たした超大物バンドの個々での活動内容が実に其々のキャラクターらしい内容になっていて作品がここで終わらないような感覚にしてくれているのもとても好きです。
また、作中で唯一結婚はおろか彼女すら出来なかったサン太が個人で旅番組のリポーターや海外ロケのリポーターを行なっている設定にも日本中、世界中飛び回っていて彼女は余計作れないのでは無いかと感じる後日設定にキャラクターらしさを感じつつ作者の新條まゆ先生の中でのサン太の扱いに「サン太もいつか幸せにしてあげてください!」と思わず感じずにいられませんでした。
本編ありきの後日談の巻だとは思いますがアニメのみしか見ていない方でもキャラクターがわかれば私のように楽しめるのがこの巻の魅力だなと感じます。