有閑倶楽部は、一風変わった6人の男女の高校生が、暇をもてあまし巻き起こす騒動を、各々の持つ個性によって解決していくドタバタ学園コメディです。
知性はからっきしですが、腕っぷしは自慢の剣菱悠理、容姿端麗才色兼備で、華道家の母と日本絵画の大家の父をもつ白鹿野梨子、片親ですが宝石商の母親をもち、もてることが生き甲斐のお色気たっぷり黄桜可憐の女3人と、大病院の息子であり頭脳明晰な菊正宗清四郎、警視総監の息子でメカいじりの得意な松竹梅魅録、スウェーデン大使の息子でクォーター、プレイボーイの美童グランマニエの男3人による物語になります。
彼らは私立の聖プレジデント学園に通学しているのですが、お金持ちの子息が多い私立の学校で暇をもてあまし、6人で暇つぶしに表向き生徒会という名の有閑倶楽部を運営しています。
1巻は全編1話ずつ話が完結していて、この1巻を読むことで一人一人の個性を知ることができます。各話色々事件が起こるのですが、その解決に適したキャラが実力を発揮していくので、読み進むうちにすぐわかります。
私が1番好きな話はPART4の話になります。実は悠理の家庭はとてもお金持ちです。父が剣菱財閥の会長をしていて、日本有数の大金持ちです。
PART4では、そんな財閥令嬢の悠理の誘拐事件が起こり、残りの5人も巻き込んだ大騒動になります。
ですが、誘拐といっても悠理は暇をもてあましていて、また犯人の不幸な境遇に同情してわざと誘拐されているのです。悠理の人間性がよくわかる話で、私はとても好きです。
また悠理は犯人のために、身代金を父に上手く出させたいのですが、その案がうかばず、清四郎たちに助けを求めます。最初は悠理に腹を立てていた残りの5人ですが、結局暇なこともあり、清四郎の考えた案に乗っかり各々の得意分野を活かし、身代金10億を手に入れるのです。
ちなみに犯人達は、5千万円でいいと言ったのですが、悠理が納得せず10億になりました。(笑)
結局10億の大金は犯人達は受け取らず、5千万円だけを持って行き、残りの大金は悠理たちの物になりました。
6人はお金の使い道に関してそれぞれに提案し、最後はジャンケンで決定したのですが、悠理が勝ち全員でラスベガスにギャンブルしにいくことになります。
1巻ではその続きは語られませんが、金額もすごいですし、各々の希望した使い道もそれぞれの個性が表れていて、本当によくできていて面白かったです。