久しぶりに少女の気持ちを味わいたくて(笑)会社という言葉が今の自分に合っていると思い手がすっと伸びました。読み始めると止まらない!
主人公、青石花笑は33歳独身。今の時代20代で結婚している人は そう多くない感じがするから共感できます。
事務員でなんとなく地味な感じが好感が持てるし、控えめで、だからと言って仕事ができない人でもなく自分を重ねることができます。
こんなにいい子なのに彼氏が生まれてこの方ずっといないのも応援したくなっちゃいました。
ですが、そんな花笑ちゃんにも一筋のチャンスがやってきます。
そうよ、人生地味でも丁寧に暮らしていればチャンスは必ずやってくるんですよね。
花笑ちゃんの勤める会社に大学生アルバイトの田野倉君が入ってきます。21歳。33歳の女性からしたら恋愛対象には普通なら入ってこない人が多いですよね。
男性側からしても、21歳大学生ならばどちらかと言えば学生同士で恋人をみつけるでしょうし。
ですが、田野倉君は違うんです。日本人男性のほとんどの人が恋愛対象の女性を年齢でまずふるいにかける人が多いのに、彼は花笑ちゃんを選んだのです。
きちんと女性を見る目があるのね、うれしいなんて思いながらどんどん読み進めちゃえます。
花笑ちゃんは今まで男性とお付き合いしたことがないけれど、人生33年やっているので恋愛事情の情報にはたけていて、彼女の頭の中で色々な妄想いいこと悪いことの心情がとても分かりやすいです。
自分にも『わかるーこの気持ちうんうん』とついうなづいてしまうんです。
色んな花笑ちゃんの妄想と田野倉君の誠実で情熱的な思いが年齢が高い働く女性をどきどきさせる本です。
そして、すんなりハッピーにならないのもまた恋愛漫画の面白いところで、同じオフィスビルに入っている別階の男性もまた花笑ちゃんに惹かれていくんです。
朝尾は輸入食品会社のCEO、35歳独身。
立派な肩書を持っていて、女性にもモテる絵にかいたようなバリバリのサラリーマンです。
女性にも興味がないわけではないけれど、なぜ花笑ちゃんに興味を持ったか、それは田野倉君という存在ができて、きれいになったのがわかってしまったからなんですよね。
やはり仕事のできると男というのは、ちょっとしかかかわりのない人間の変化にも敏感に気が付くんですね。
好きというわけではないけれど、年齢も近いせいかちょっかいを出してきたり、花笑ちゃんの相談に乗ってあげたり。
そうかと思うと、まるで自分が彼氏化のような振る舞いで会社帰りに花笑を車で家の前まで送っていったり。
レディーファーストなしぐさが花笑ちゃんの心をかき乱すことも知らずにしちゃっているんですよね。罪だなー(笑)
同じビルでほとんど毎日顔を合わせる三人の人間関係も面白く、嫉妬心からでもないけれど、ちょっと田野倉君と花笑ちゃんの関係にちょっかいを出してくる朝尾。
人の心に敏感な田野倉君は思わず花笑ちゃんを取られるのではと思って、大胆な告白をします。
大学を出たら結婚をしようというのです。
いやあ、なんか読んでいてこっちが照れちゃいます。
若いし勢いもあるんでしょうね、でも女性側の気持ちからすれば、とてもうれしいですよね。
ただ、すごくうれしいけれど年齢差をこういう時に女性としても気にしてしまうのかな、結婚話に田野倉君の母が出てきて最初はなかなか二人の関係にいい顔をしていませんでした。
ですが、彼の情熱、花笑ちゃんの人柄がお母さんを動かすんです。
このままどうかハッピーでゴールインして欲しいなと応援をここでもしてしまいました。
ただ、二人の年の差恋愛でイチャイチャしているとこだけではなくて、結婚を視野に入れていれて未来を考える場面も多く出てくるこの漫画は独身女性に心強く印象に残ると思います。