エンジェル・ハントは、霊が見える体質の椎名天音が主人公の少女マンガです。
天音はエクソシストである父から言われ、霊が見えないフリをして過ごしています。
そんな天音のクラスメイトの松田真由は天音と同じく霊が見える体質なのですが、天音と違いオカルトが大好きなのです。
教室で霊が見えるとはしゃいでいた真由に、「払える訳でもないのに騒がない方がいい」と天音が注意して喧嘩をするところから始まります。
エンジェル・ハントの一番の見どころは、キャラクターの魅力だと思います。
まず主人公の天音のビジュアルは金髪のロングのワンカールヘアを赤いリボンでハーフアップにしており、フランス人形の様な女の子らしい魅力でいっぱいです。
天音の外国風でおしゃれな点は、見た目だけではありません。
父がエクソシストであるため教会に住んでいたり、学校へ行く前に父とキスをしたり、生活スタイルも外国風なのです。
しかし天音の性格もおしゃれでお人形のような性格かと思ったら、全くの逆なのです。
しっかりものの慎重派で、父からの言い付けはしっかり守る女の子。
その一方で友達のために危険を承知で身を呈して庇ったり、優しい女の子でもあります。
天音の魅力は可愛らしい見た目と、それと正反対な慎重な性格、そしてそれに隠されてとても優しい女の子であることだと思います。
天音の親友でありパートナーの真由は、天音とは対照的な女の子です。
見た目は、色素の薄い天音と対照的で、茶髪のウェーブががったショートヘアーを二つに結んでいます。
真由の性格も、明るく元気な自慢したがりのお調子者です。
しかし魂を抜かれた天音を助けるために自分の魂をかけて助けたり、友達思いで優しい所は天音と同じです。
エンジェル・ハントの二つ目の魅力はそのロマンチックでミステリアスな舞台設定。
天音と真由の二人はひょんなことから自分達が「エンジェル」だということを知ります。
「エンジェル」とは異世界の住人で現在の世界でゴーストバスターなどをして秩序を守るために転生してきた存在なのです。
特別な力を持つエンジェル、天使の羽、ゴーストバスターと不思議で魅力的な舞台設定なのです。
そしてただ不思議な舞台設定があるわけではありません。
ストーリーが舞台設定を存分に生かしていて、謎が謎を呼ぶ展開になっていきます。
天音と真由は先輩のエンジェル三人と共に一人前のエンジェルを目指します。
しかし二人はエンジェルの中でも特別に異質でした。
本来なら既に前世の記憶を思い出してエンジェルとしての自覚と力を持っているはずなのですが、二人ともそれが全くありません。
しかも本来ならエンジェルは一人のはずという話なのです。
一人はエンジェル、そしてもう一人はエンジェルの敵である堕天だということが判明します。
堕天はエンジェルに狩られる運命にあると知った二人。
様々な試練を乗り越えて親友になった二人はどちらが堕天でも、前世の記憶を先輩には話さずお互いにしか言わないように決めます。
そしてその頃から二人は自分達の前世の夢を見始めるようになります。
どちらが堕天なのか、前世の記憶を全て思い出しても二人は親友でいられるのか、どんどん手に汗を握る展開になっていきます。
それだけ聞くと暗く重たい話に感じますが、天音と真由の仲の良さと二人でドタバタと一生懸命エンジェルの役目をこなしている様子のお陰で元気で明るい話になっています。
エンジェル・ハントの三つ目の魅力はその絵の美しさです。
キャラクターのビジュアルはもちろん、制服や前世の記憶の衣装、表紙の絵で着ている衣装、どれも幻想的で素敵で世界観に合っているものばかり。
漫画の中でも天音の羽が出るシーンは、空中でふわっと広がる金髪、細かく書き込まれた羽、華やかな花など一枚の絵としても美しいです。
エンジェル・ハント、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか?