群青にサイレン、5巻 感想
※ネタバレ注意です※
丈陽の守屋にアドバイスを求めた修二ですが、守屋にも過去のことで抱えている暗い思いが あるのだなぁと感じました。
5巻冒頭の一瞬の回想シーンが どのような状況か分かりませんが、玄石の鈴木が絡んでいることなのですよね?
バッテリーの信頼関係について悩んだ時期があったから、修二の質問に守屋も少し戸惑っていたように見えます。
左投げでも通用するかという話は、技術的な課題はあっても修二の表情で問題はないと安心できました。
しかし、やっぱりバッテリーの仲が悪いというのは不安要素だらけで、こればかりは守屋からのアドバイスも無意味なのですね・・・。
ただ空は関係なくても、修二を突き動かす感情は悔しさや怒りだったりするので、それは それで修二の個性なんじゃないのかなぁ・・・なんて思いたくなりましたが・・・。
部活休みの期間もグラウンドで練習したり、強くなると決めた修二の熱意は本当にスゴイです!
守屋に教えて貰ったトレーニングを黙々と こなしていました。
そんな修二に即発されて集まる部員、空以外の――――
本来は休みの期間なのだから問題はないけれど、空が野球部から浮いてる状況になってしまっている気がします。
通常の練習に戻って、「今日から、一緒にキャッチボールするぞ」と空に歩み寄った修二を褒めたい・・・!!!
一瞬だけだけど空は嬉しそうな顔を隠せていなかったですし、一番しっくりするキャッチボールだと感じてるのは、修二だけではなく空も同じだと思いたいです。
笑顔もないし会話もないけれど、バッテリーとして少しずつ噛み合ってきていると感じました。
とはいえ それは守屋が言っていたことを守り、立場的にキャッチャーがピッチャーに合わせていくべき、と野球に勝つために歩み寄っているだけにすぎなくて・・・、身構えながら向き合っていたのですね・・・。
空は そのことを分かっているから、修二の変化を受け入れようとしないのでしょうか。
監督も、今 気にかけてあげた方がいいのは空だと、心配していましたね。
シュートを覚えたのは修二のため、というのは空にとって触れられたくない図星で、空は野球の勝敗よりも「嫌い」と言われた悲しみで いっぱいなんだなぁと思います。
なぜか角々谷の不調が酷くなっていき、1年メンバーの暗さに戸惑ってましたけど、でも この作品の主要キャラは全員 何かしら胸に抱えた思いがあるのですよね・・・。
さすが「爽やかなだけじゃない高校野球!!!!」です!
昔はピッチャーだった鈴木の過去や、丈陽のエースピッチャー釘崎の精神的に追い詰められた姿――――
悩みを抱えていたのは修二だけではなくて、乗り越えるために あとどれくらいの時間がかかるのか、修二は意識するようになっていました。
県大会が近づき3年生は最後の夏、自分だけの問題ではないという責任感、成長しましたよね!
空を嫌っていることを、空本人が確信していると知った修二は、今までの態度についても後悔しています。
しかし、だからといって距離を縮めることはできないバッテリー・・・。
試合に勝ったのに、負けた相手校のバッテリーが まぶしく見えるなんて、切ないですね・・・。
遠回りでも頑張ろうとして、自分の弱さを自覚しようとしていた修二は、空と信頼関係を築こうとしていました。
嫌いだけど試合には勝ちたい、自分にも空にも負けたくない――――
その気持ちが修二の中で熱意となって、ひねくれながらでも上に伸びていっていたのに、少年野球時代の ひいきを空が打ち明けたことによって、また後退してしまいましたね・・・。
空に勝つために野球をやっていたのに、空に負けてなかった、なんで今さらと思う修二の気持ちが とてもよく分かる気がします。
だけど、あんなに震えながら苦しそうに打ち明けた空の姿を見ると、打ち明けずにはいられなかったのだろうし、これからのことを考えれば必ず打ち明けなければいけないことだったんだなぁと感じました。
ますますバラバラになってしまった2人・・・、バッテリーとして向き合える日は近いのでしょうか?遠いのでしょうか?
6巻が待ち遠しいです・・・!!!