デザート 4月号 おはよう、いばら姫、第23話 感想
※ネタバレ注意です※
7歳だった桜ちゃんがハルさんを「パパじゃない」と言ってしまうことは仕方がないことだと思いますが、ハルさんがショックを受けてしまうのだって当然のことですよね。
だとしても、ハルさんは焦りすぎてしまっていたかなぁとも思います。
自分が父親になるということは 桜ちゃんから本当のパパを奪うことでもある、だけど桜ちゃんが本当のパパを忘れてしまうくらい愛してみせる――――
そこまで気負わなくても良かったかもしれませんね・・・。
しかし、自信がないことを隠すために「本当のパパ」に遠慮していたのだとしたら、それでは前に進めるはずもない、難しいなぁ >_<。
生前のハルさんは ハルさんなりに決断したことがあって、それを受け止めてくれる奥さんもいた。
悩み続けることになっても 間違っているとしても、家族になるために ぶつかることが出来ていたならば・・・、考えても どうしようもないことですが、ハルさんが生きている“今”を思わず考えてしまいました・・・。
でも、「さくら」という名前を聞いて助けずにはいられなかったハルさんは、本当にカッコイイですね ^_^。
遺体は上がらず、もう10年も前のことですから、たしかにハルさんだという証拠はありません。
千尋の視線の先にいるハルさんの顔を見れば それが証拠になりますが、桜ちゃんには見えませんから・・・。
だけど、目に見える証拠がなくても、桜ちゃんは確信を持って涙を流していましたね。
そんな桜ちゃんを抱きしめた志津は しっかりと桜ちゃんの心を支えていて、相手の感情を読み取り 思いやることが、こんなにも出来るようになったんだなぁと改めて感じました ^▽^。
皆でお泊まりを提案したのも、志津の温かい優しさですもんね!
そんな志津の人柄を分かっている桜ちゃんが、多重人格だと聞いても「私が友達になった志津ちゃんは 志津ちゃんだけだし」と言ってくれたことに、ジーンとしてしまいました ^_^。
千尋に「ありがとう」と伝えていたハルさんは、志津の体を使って桜ちゃんと話しをしようとは思わず、1度だけ寝ている桜ちゃんに触れて 黙って消えようとしていたんですね・・・。
未練を増やさない、満足したら消えられるうちに消える、たしかに必要なマナーだと思いました。
ハルさんが「・・・あ~~・・・今日はいい日だなぁ」と感じて、思い残すことがなくなって消えるのは、すごく良いことなのでしょうね。
だけど、「ハルさんは消えたりしない・・・ですよね?」と訴えるような目をして問いかける哲の気持ちは、本当によく分かります >_<。
でも 志津の体は、もうハルさんたちの助けが必要ではなくなってきていて、志津は志津としての人生を生きる時が、もう既に やってきているのですね。
「その邪魔を「俺たち」がしちゃいけないだろ ・・・いい機会なんだよ」
消える前のハルさんは、哲が最初に好きになった あの笑顔で笑っていて・・・、最後に一人は寂しいからと哲に話し相手をお願いして・・・、楽しかった思い出を語り合って・・・。
忘れられることを怖いと感じ、忘れられたくないと思うのは とても自然なことだと思います。
「忘れません、俺 絶対 死ぬまで、春道さんのこと忘れません」
哲に そう言ってもらえて、ハルさんは本当に嬉しかったでしょうね ^_^。
ハルさんが小さく言った「ありがとう」と最後の「ばいばい」は とても切なくなる言葉でしたが、だけど それ以上に心が感動した今回のラストでした。
いつも明るい気持ちにさせてもらったハルさんに、今回は泣かされました!
いよいよ残り3話ということで、次の回も涙が止まらない話になるだろうなぁ・・・。
じっくりじっくり読みたくなる この作品、最終回へと近づいていく寂しさはありますが、続きも大切に読まなくちゃいけないですね ^▽^。