秘密 season 0、4巻 感想
※ネタバレ注意です※
今の日本をベースに、近未来SFとして展開された人気作の最新刊です。
人気俳優さんが出演して映画化したので、そちらをご覧になった方も多いと思います。
少女漫画らしく美しい絵柄のうえ、主人公がかわいい系の美青年であるため、ある種の画集としても見ごたえがあります!
4巻は主人公・薪の出生の秘密と、薪をライバル視している同僚刑事の起こした殺人事件を絡めています。
単発的な事件と思いきや、MRI捜査によって暴いていくと芋づる式に過去の「秘密」がゾロゾロと・・・。
社会的に暴かれたくない経歴という部分での秘密、他人に触れてほしくない心の奥底の感情の秘密、自分だけが知っている大事な人の過去の悪行的な秘密。
タイトル通り、そういった様々な種類の「秘密」が複雑に折り重なっているため、少女漫画はちょっと・・・という方も、刑事もののサスペンスが好きな方にもおすすめです。
薪の同僚刑事・桜木は、母親が連続殺人犯にレイプされてできた子供でした。
父や姉兄に似ていないため冷遇されて育ちますが、母親は愛情をもって育ててくれました。
大好きな母を悲しませないため、愛し続けてもらうために、母の望む人物像であろうとする桜木。
まず生まれ育ちだけでも、人間の「業」がてんこもり。
そんな桜木少年は、ある殺人事件の犯人を目撃します。
彼の証言によって犯人は逮捕、その家族は社会的に批難され一家心中してしまいます。
だけどもし、桜木の眼が正常に見えていなかったら?
そもそも視界は共有できないのに、自分の見ているものが等しく他人に見えていると言い張れるものでしょうか・・・。
その数十年後、桜木自身が殺人を犯します。
暗闇の中、婚約者の額を正確に撃ち抜いた理由、方法。
彼は事故に巻き込まれた被害者なのか、事件を起こした殺人犯なのか?
警察内部からも社会的にも批判される桜木。
彼の目が正常でないことを証明できるならば、婚約者の事件に関しては風向きが変わり、彼は被害者であることに。
その反面、過去の事件では冤罪を作り出した加害者になってします。
更に「なぜ、彼の眼は正常でないのか」を論議されると、母の秘密まで暴かれることに・・・。
ものすごい読み応え!
表紙を開けたとたん、夢中で一気読みされること請け合いです。